1.《ネタバレ》 例えば、二人の殺し屋がある男の家にやってくる。二手に分かれ男を捜す。一人が裏庭で殺す男を見つけ銃を構える。しかし、まだ撃たない。もう一人の殺し屋がやってくる。銃を構え、二人同時に撃つ。例えば、ある男がいかにも淫乱そうな女に誘惑されるが、男は仁義を重んじ手を出さない。その女の亭主がやってくる。亭主はその場の雰囲気を即座に察し、男をとがめようとはしない。
この映画にはワイヤーアクションも、CGも、爆発シーンも、派手なカメラワークも、いいテンポと称する細かなカッティングもないが、このようなかっちょいいディティールと、いかにもな顔をした傍役たち、それを生かす演出、1カットでキャラクターや物語を説明しうる技量がある。今のアクション映画にはそれがない。だからつまらない。当分の間、ハリウッド製アクションは輸入せず、70年代アクションだけをリバイバルしてはどうか。