3.《ネタバレ》 当時「キス★キス★バン★バン」の後に、
音楽ジョン・ダンクワース、俳優ポール・ベタニー繋がりで観た作品です。
一度目に観た時は、正直今1つだったなぁという感想を持ちました。
しかし、アラアラ不思議、2度目に観た時には、何故か魅せられてしまったぁ。
一度目に観た時は、何とも頼り無さ気に見えたデヴィッド・シューリス演じる紳士なボス、これがよく見ると素敵なのです。
ベタニー演じるギャングスターも良かったですが、男としての魅力ではシューリスの方が上、惚れました(笑)。
あとベタニーの30年後がマルコムってのはどうなんだ?(背も随分縮んじゃってるし・・・)、
なんて事を最初は思っていたのだけど、
表情とかデコの逝き具合とか(^^;を見てると、これはこれでアリだなと納得。
ボス、フレディへの憧れが、いつしか嫉妬へと変わり、
遂にはフレディを陥れてまで裏社会の頂点にのし上がるギャングスターですが、
心が満たされる事はありません。
何故なら彼が本当に憧れていたのは裏社会の頂点などでは無く「フレディ本人」だったから。。
地位とお金があるから人が寄って来るだけで、ギャングスターを心から慕う人など一人も居ません(愛を注げる相手も・・・)。
所詮は嫌われ者で名も無き孤独なギャングスターには、かつての憧れだったボスの様になる事は無理だったのですね。
刑期を終え30年ぶりにムショから戻って来たかつてのボスは、
”裏社会の頂点なんて下らない事”だと、愛する人が待つ平凡な幸せを選び、彼の前から去って行きます。
自分が今まで築き上げて来た事は何だったのか?
頂点に立ったつもりで居たけれど、結局はフレディを超える(忘れる)事は出来なかったのですね。
彼の”殺しの正装”とも言える白ブリーフ姿で「俺がナンバー1だ!」と叫ぶラストは何とも哀れです・・・。
またエンディングの歌が皮肉が効いていて良いのですよね(涙)。
フレディに対するギャングスターの感情には、少し同性愛的な要素も感じられました。(作者が意図していたのかどうかは判りませんが・・・)