2.《ネタバレ》 悪い男は、ホントに悪い男だった。悪い男はのっけから飛ばしてた。でも、出だしからいきなり引き込まれてしまった。「何なんだ?」 と、思って見てるうちに、どんどん悪い男にハマっていた。あんな形でしか人を愛せない男と、そんな男を憎みながら愛しちゃう女。 凄い。いろんな解釈があると思うが、ハンギは喋れないのではなく、喋らないのだと思う。首の大きな傷がある。あのせいで声のトーンがおかしくなり、彼が一言発する言葉でも分かるように、ヤクザからの風情からは想像もつかないような高い声になってしまったのだ。だからハンギはソナに話しかける事もしない。「好きだ、好きだ」とばかり言う弟分とは対照的なハンギの愛情表現には、理解できない部分もあったが、自分につばを吐いた女が他の男に抱かれている様を覗いている時の表情は苦悶に満ちて、とても復讐を楽しんでいるとは思えない。ソナとハンギが鏡越しでキスするシーンはとても美しい。そして、2人が鏡を破り抱き合うシーンは見ていてとても胸が痛くなった。この時のソナの驚きから愛情に変わる表情の変化がとても素晴らしい。ラストシーンはね、もしかしたらハンギの夢の中の話なのかもしれない。弟分に刺された時点でハンギは死に、ソナとの海のシーンも空想の世界だったのでは、と私は解釈した。ラストシーンの捉え方はさまざまかもしれないが、あのまま2人で幸せでいてほしいと素直に思った。でも、やはりハンギはソナの体を売らせ、最後の最後まで悪い男だった。 韓国映画は、他のどの国にもないリアルさ、衝撃さを追求し、また韓国映画ほどの体を張った女優さんは日本にはいないだろう。