1.『ダイ・ハード』、俺ならこう撮るぜbyハイアムズ、という感じの作品ですが。いかんせん、ハイアムズ作品、一部を除いてストーリーがツマラナイもんで(意識が“撮影”のみに向かっている?)、本作も、なかなかダイ・ハードのようにはいきません。アイスホッケーの観戦に来た副大統領が人質となり、スタジアムには爆薬が仕掛けられる。それを知らぬ選手と観客、試合が盛り上がるその一方で、悪党どもに単身戦いを挑む元消防士。ふむふむ。スタジアム周辺には駆けつけたパトカーがひしめき、スペクタクルな要素にも事欠かないのだけど・・・戦場となるこのスタジアムは、要するにダイハードみたいな“閉鎖系”なの?それとも出入り自由な“開放系”なの? 映画の設定を事細かに説明してくれなくてもいいけど、ストーリーの力学を決定づける“物語のルール”をドドンと示してくれると、あとは自然に盛り上がっていくんだけどなあ。どうも要領を得ないのがこの映画。でもまあ、気にしない気にしない。ここは“閉鎖系”なんです、そういうことにしましょう。すると面白くなってくる。孤立無援の主人公。襲いかかる敵、敵。厨房での死闘。うーんさすが厨房、キケンなモノがいっぱいありますね。悪党は皆、銃を持ってるのに、不用意にも(丸腰の)主人公に近付き過ぎ、次々にヴァンダムアクションの餌食となっていく。いいぞ、さすがヴァンダム! 主人公が試合に参加しちゃうエピソードが必要なのか、とか(面白いのでOK)、ラスト、主人公の娘が転落しそうになる(けどすぐ自力で助かる)シーンは必要なのか、とか(『ハノーバー・ストリート』のパロディみたいなのでOK)、その他その他、色々文句を言いたい方もおられるとは思いますが、いいじゃないですか、見どころ多いんだから。充実した作品だと思いますよ。