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妻は告白する

[ツマハコクハクスル]
1961年上映時間:91分
平均点:7.32 / 10(Review 25人) (点数分布表示)
公開開始日(1961-10-29)
サスペンス法廷ものモノクロ映画ミステリー小説の映画化
新規登録(2004-09-21)【--------】さん
タイトル情報更新(2008-07-17)【イニシャルK】さん
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監督増村保造
キャスト若尾文子(女優)滝川彩子
川口浩(男優)幸田修
小沢栄太郎(男優)滝川亮吉
根上淳(男優)杉山弁護士
高松英郎(男優)葛西検事
馬渕晴子(女優)宗方理恵
夏木章(男優)平田
飛田喜佐夫(男優)幸田の同僚
小山内淳(男優)浦田宏
酒井三郎(男優)警察官
大山健二(男優)内海裁判長
村田扶実子(女優)宮内恵子
新宮信子(女優)魚料理屋女将
山口健[男優](男優)
武江義雄(男優)新聞記者
杉森麟(男優)警察医
此木透(男優)山案内人
中田勉(男優)幸田の同僚
橋本力(俳優)(男優)
森一夫(男優)
原田[言玄](男優)係官
森矢雄二(男優)幸田の同僚
仲村隆(男優)新聞記
花野富夫(男優)
当銀長次郎(男優)
谷謙一(男優)総務部長
原作円山雅也「遭難 ある夫婦の場合」
脚本井手雅人
音楽真鍋理一郎
撮影小林節雄
企画土井逸雄
配給大映
美術渡辺竹三郎
編集中静達治
録音長谷川光雄
照明渡辺長治
あらすじ
経済的事情から、やむを得ず結婚した女(若尾文子)。そんな不幸な結婚は、やがて破滅の道を辿っていく・・・巨匠、増村保造の代表作にして、若尾文子の魅力を最も端的に理解できる傑作。法廷サスペンスでありながらも、女の男を愛する愛の深さと情念が怖いほどにフィルムに焼きつけられている。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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5.映画の最終盤、若き若尾文子が雨に打たれずぶ濡れになった姿で愛する男の前に現れる。その姿は狂気的で、あまりに美しい。
撮影を重ねよほど感情を盛り上げて挑んだのだろうと思われたこの映画随一のそのシーンが、撮影初日に撮られたということを知りまず驚いた。そして、当時若尾文子はこの程度の映画を年間10本以上のペースで撮り続けていたというのだから、もの凄いとしか言いようが無い。

映画監督の西川美和がある誌面でこの映画を絶賛していたこともあり鑑賞に至った。成る程、物語の序盤から西川監督作の「ゆれる」を彷彿とさせる要素が多々あり、多分に影響されているのだろうと想像できた。

登山の最中に滑落事故が起こり、ザイル一本で宙づり状態になった3人の男女。絶体絶命の状態の中、中央に位置した女は自分の下のザイルを切断。当然、下方に宙づりになっていた男は落下し絶命。死んだのは女の夫、そして生き残ったのは女の愛人……。
故意か自己防衛かを争点にし、殺人罪に問われた女の裁判劇を中心に描かれる男女の愛憎劇、その濃密さが見事過ぎる。

序盤から終盤に至るまで、「妻の行為の真相」がつまびらかにされていく物語だとばかり思っていた。
実際その色彩は強く、望まない結婚を強いられた妻の鬱積と、そんな折に生じた横恋慕の対比がとても丁寧に描かれ、妻の「動機」が徐々に明確になっていく。

そして、ついに明かされる妻の真意。
本来ならこの時点での衝撃をもって映画が終幕しても充分に成立するものを、この作品はさらに真理を突き詰める。
結局、登場人物の中でもっとも何も分かっていなかった「馬鹿」が、もっとも重い業を背負う羽目になる顛末に、その「馬鹿」同様に呆然としてしまった。

この作品は、「夫婦愛」のまさに対極に位置する「夫婦憎」を描き付けた映画だと思う。
結婚をして3年目になるが、この映画を夫婦で鑑賞するのは非常にはばかられる。しかし、「恐いもの見たさ」という人間の本能故か、だからこそ逆にいつか夫婦で観たいとも強く思わせる。
そういうことをつらつらと考えていくと、「夫婦愛」と「夫婦憎」本来対極にあろう関係性は、実のところ表裏一体で一対のものなのかもしれないと思われて、一人で映画を観終わった後、既に寝静まっている愛妻の横でなかなか寝付けなかった。
鉄腕麗人さん [DVD(邦画)] 9点(2012-02-28 11:31:14)
4.《ネタバレ》 なんといってもヒロインを演じる若尾文子。先週見た同じ増村保造監督の「青空娘」では明るく元気なヒロインを好演していたが、この作品では一転して夫殺しの容疑をかけられた妻という役を妖艶に演じていて、演技ももちろん素晴らしいのだが、川口浩を自宅に呼び寄せて、「夢を見るのよ。あなたの夢よ。」などと語りかけてくるシーンなどこの作品の若尾文子には何やら今までにない色気を感じる。とにかく容姿はもちろん声も妙に色っぽい。そこへきて監督は増村保造である。今年になって見た増村作品は「好色一代男」、「青空娘」。いずれも普通に楽しめるといった感じの作品だったが、この映画では若尾文子をロープで縛ったり、山で三人がザイル一本でつながれ宙吊りになっているシーンとかも妙にエロティックで増村監督の本領発揮といったところ。映画は法廷サスペンスとしての面白さを保ちつつも、それ以上に一人の男を愛してしまった女の情念を描ききった人間ドラマとして非常に深い作品になっていて、正直言ってここまで凄い映画は見たことあるだろうか。とくに、ラストの若尾文子が川口浩の勤める会社にびしょ濡れ&やつれた表情で現れるシーンは凄まじく、そして怖い。こんな凄い若尾文子の演技を見てしまうと、若尾文子の今まで見た出演作の中でこの滝川彩子という役をベストアクトに挙げたくなってしまう。「青空娘」のレビューで若尾文子の魅力に尽きる映画だと書いたけど、本作も若尾文子の「青空娘」とは違う魔性的な魅力あっての映画だと思うし、そんな若尾文子を撮る増村監督の撮り方もうまい。出来としても今まで見た増村作品の中では最高の映画ではないかと思う。まだこの二人のコンビ作は数本しか見ていないが、もっと見たくなってしまった。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 9点(2008-07-17 13:29:17)(良:2票)
3.《ネタバレ》 凄まじいまでの愛憎劇。
女の情念を、これほどまでに強烈にフィルムに焼き付けた作品があっただろうか。
少なくとも私は観たことがない。

法廷サスペンスものとしてみても一級品の出来栄え。
若尾文子の演技も凄いの一言!

愛すべき人に対して、ここまで真っ直ぐに気持ちを持てるなんて凄い。
凄すぎる。

殺人は決して肯定できるものではないが、女が男を愛する気持ちは、そんな道徳観念すら殺してしまう。
男にはない女の情念。
それを雄弁にして、サスペンスフルに綴った本作。
いやぁ、アッパレでした。

(追記)
本作を観るきっかけとなったのは、映画評論家である佐藤忠男氏の『日本映画300』という文庫本に載っていたからです。
この本は本当に凄い。
ハズレがほとんどと言っていいほどない。
紹介されている作品は、どれも凄い作品ばかりなのです。
日本映画好きの方は必携の一冊だと思います。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-03-17 23:27:28)(良:1票)
2.《ネタバレ》 監督・増村保造、主演・若尾文子コンビでおくる裁判サスペンス劇。若尾ちゃんのことだからいつものようにしたたかな役かと思ったら、最後まで命がけで男を愛してるだけの弱い女。ただ幸せになりたかったんだろうなぁと。あれだけ真直ぐだと川口浩が引いちゃうのもわからんでも...。改めて若尾文子に魅了される作品でした。
バカ王子さん [DVD(邦画)] 9点(2006-03-18 22:02:51)(良:1票)
1.ラスト近く幸田の職場に来た滝川(若尾)のびしょ濡れの着物姿に圧倒されます。若尾はこの映画のヒロインをどう演じてよいか分らず悩みぬき、いつしか彩子そのものになりきっていたと、新聞のエッセイで読みました。エロティックで、可愛らしく、そして恐ろしいという素晴らしく深みのあるヒロインです。
解放軍2003さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-03-08 01:44:44)
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【点数情報】

Review人数 25人
平均点数 7.32点
000.00%
100.00%
200.00%
314.00%
400.00%
5312.00%
6416.00%
7416.00%
8624.00%
9520.00%
1028.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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