1.『十三人の刺客』と『七人の侍』を足して2で割ると、ああ確かに(13+7)÷2=11人。ハイ、計算間違い。いや何にせよ、タイトルと言い、敵を待ち伏せる展開と言い、クライマックスの豪雨といい、『七人の侍』と敢えて共通点を持たせることによって、作品のベクトルの違いが、より強く印象付けられます。どっちかというと、“忠臣蔵”からあらゆる潤いを取り去って、ひたすら殺伐とした作品としたような感じ(僅かに残された潤いも、すべて作品の中で取り去られる)。集まった侍たちは、個性豊かに描き分けられることなく、単色に染められ(互いにやたらと名前を呼び合う点だけが、唯一の存在主張)、いわば“消耗品”として、戦いの中に命を散らせて行く。要するに、テロリスト。いやホント、殺伐としてますなあ。