1.凄い!日本のスポコン物の元祖みたいな作品です。片岡千恵蔵扮する富士ノ山が厳しい相撲の世界に飛び込み日本一の力士に成るまでを描く映画です。時は明治初頭、相撲などという野蛮なものなど無くしてしまえという苦しい逆境の中で兄弟子に厳しくいびられながらも持ち前の精神力で道を切り開いていったり八百長を申し込まれてもスッパリ断ったりする富士ノ山はかっこいいです。切ない悲恋やラストの日本一の掛け声も物語の重要なカギを握っていてこの脚本を書いた黒澤明はまさしく末恐ろしい奴だったんですね。やぐら太鼓の心地よい音色が今も耳に響いています。DVDの資料には当時のポスターの様なものが入っていて土俵祭のポスターの隣にこう書かれていました「一億戦死の覚悟で!」この映画は1944年の3月30日に公開されたようです。悪化していく戦況の中で少しでも庶民を楽しませようとした監督を始めとするスタッフ、役者の皆様には頭が下がります。勝負に勝って相撲に負けるそんな言葉の意味が今までは?って感じでしたがこの映画を見て少しは理解出来たと思います。横綱朝青龍には是非見ていただきたいですね。