1.さすがにアノ三島が主演するだけの脚本だ。私の高校時代、親がやくざということで、みんなから怖がられていた同級生がいた。結局その人は、物理学が苦手で潔く決断し退学してしまったけれど、いまどうしているだろう? ■断言できるが、当時の私より彼のほうが人間的に上だったと思う。■子に親は選べない。そして、やくざの子に生まれたら、日本ではそれ以外の道を生きるのは難しいことなのかもしれない。そんなことを思い出させて再考させてくれたリアリティのあるいい映画だった。■この映画の若尾文子のような女性像こそ、昔日本に存在した世界に誇れる日本のお・ん・なだったと思う。その理想像を映画として見える形に残してくれただけでも、この映画には十分な価値がある。