1.妻のみを愛して愛して愛する実直な紳士と、幸せすぎて恐いぐらいという淑女をロナルド・コールマンとケイ・フランシスが演じ、気品たっぷりのカップルが奏でる気品たっぷりの映画です。妻が妹と旅行に出かけている間に若い女性と恋仲になってしまうコールマンの潔き振る舞い、猜疑心が芽生えてからのフランシスの微妙な表情としぐさはまさに役者ですね~。そして秀逸のラスト・・・コールマンとフランシスがここで初めてアップとなり、その時の二人の表情のなんと素晴らしいことよ。とくにフランシスが伏し目がちに瞼を閉じ、やや上目遣いに見上げるあの表情、ケイ・フランシスを私の瞼に焼き付けた瞬間でした。この作品の舞台はナポリ、この映画を見ずして死ぬなかれ、とまでは言い過ぎかな・・・。