1.《ネタバレ》 恐らく『戦争映画』を作る上で99%の監督が描くであろう戦闘シーンを描かなかった異作。
『ここで戦闘があるだろう』と言うシーンでも何も起こらない、次こそ何かあるかと思えばやはり何も起こらない。視聴者からすればストレスにすら感じるが、これって作中の兵士との心境をシンクロさせる見事な演出だと思う。
必死に訓練して、砂漠のど真ん中に放り出され、命の危険を感じる、それでも敵と戦い生き残ることで快感と開放感がそう言ったストレスを紛らわしてくれる。だがもしそれすら無ければ・・・・。
不謹慎な表現かもしれないが、例えばあなたがゲームをしていて、何時間もレベル上げを行い、難しいクエストをこなして装備やアイテムを集め、準備完了で魔王の城に乗り込む。一歩進むごとに様々な演出が気分を盛り上げ、コントローラーを握る手にも力が入る。だが結局敵は現れず、魔王も戦わず降参してしまった。激怒するでしょう?
それがリアルの戦場で起こった場合人間がどうなるか、と言う今までにない切り口で『戦場に赴いた兵士たちの精神』を描いた作品。
うーん説明が難しい、とにかく『斬新な戦争映画』を見たければご視聴あれ。
演出も終盤の油田のシーンは非常に神秘的で面白かった。
上記の内容とは別に『スタンドバイミーの大人&戦場バージョン』みたいな響きに興味が湧いた人にもお勧めです。