18.《ネタバレ》 音楽とナレーションがあるバージョンを見ました。どうやら私は長編になる前のチャップリン作品が好みらしく、本作「黄金狂時代」もとても楽しく鑑賞することができました。長すぎず短すぎない60分前後の収録時間のほうがこのような作風には合っているように感じます。 本作は脚本とプロット(構成)の作りこみが素晴らしく、最初から最後までキレイな線でつながっています。このきれいなライン上にバランス良くちりばめられたチャップリンのお家芸が本当に素敵で、どのシーンを切り取っても安心して見ていられます。余談ですが本作では「孤独な金鉱探しチャーリー」となっており、トランプ氏ではないのは結末のことを考えてあえて別人にしたのでしょうか。 オープニング、冬山にタキシードでやってくるチャーリーでまず笑ってしまう訳ですが、その後続くストーリーは予想に反してかなりリアルな流れです。直接描写は無いものの殺されたり遭難したりとシッカリ死人も出ます。しかし切迫した状況のハズが、続くロッジでのシチュエーションコメディでは定番のパターンでシッカリ笑わせます。靴をまるで魚のように上品に食べるシーンは映画史に残る名シーンでしょうw 街に降りてからロマンス路線に切り替わる流れもスムーズで、今回チャップリンの意中の相手は「ジョージア(ジョージア・ヘイル)」で、こちらも若干高飛車な人間性を嫌味なく絶妙な塩梅で演じていて本当に上手な女優さんでした。残念ながら他に目立った映画出演はないようです。 枕に忍ばせてあった彼女の写真と造花、再訪があると聞いて枕を破壊してまで喜ぶチャーリーが伏線となっていて、大晦日のシーンはかなり泣ける展開です。パンのダンスも素敵だし駄馬突入の流れも素晴らしかったので、、本作で最も素敵なシーンの一つだと思います。 その後の流れもスムーズかつスマートで、プロポーズしておいて本物の大金持ちになる流れはお見事です。途中挟まれているシーソーネタも退屈させず最後の最後までシッカリ楽しませてくれます。ラスト、金持ちになった事実を知らずにチャーリーをかばうジョージアも愛らしく、この流れから「ハッピーエンドですね?」「その通り、ハッピーエンドです!」のナレーションは心底名セリフ(脚本)でした。素晴らしい作品! 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-11-07 15:50:21) |
17.《ネタバレ》 もう密度が半端ないですね。 最初30分だけの短編にしても面白いですし、ラスト1時間も最後まで飽きずに見てしまいました。 雪山で出会った男が伏線だったり、二段構えとも言うべき傑作です。 また単なるコメディで終わらない所がいいですね。 実はこの作品は「偽牧師」と共に西部劇としての一面があるんですよ(まあ作品を見た方なら既にご存知だと思いますが)。 ゴールドラッシュで沸き立つ街、一山当てようと死に物狂いで山に挑む人間たち。 ある者は富を築きますが、その多くが飢えや殺し合いの中で消えていきます・・・事に本作は飢えの恐怖。 チャップリンなんか靴まで食べてしまうし、隣の大男は腹が減りすぎてチャップリンが巨大なターキーに見えてしまう・・・ちょっとオーバーかなとも思いましたが、飢えた人間たちが略奪や殺し合いに発展する様は恐ろしいです。 山での死闘、そして下山した街で巻き起こる騒動・・・クリスマスのシーンは笑いを通り越して涙が出てしまいます。 それでも最後まで彼女のために奮闘する健気さ。山小屋が雪山を滑り落ちるシーンなんか口あんぐりでした。 貧乏を経験したチャップリンだからこそ描ける凄い映画です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:19:16) (良:2票) |
16.《ネタバレ》 初見。後をつける熊に気づかず雪山の崖っぷちを「何時ものスタイル」で飄々と歩く登場シーンにいきなり大笑い。よくよく考えてみると笑えない餓死や転落死の危機をも笑いで魅せてくれる喜劇王。そんな彼が表した孤独の辛さ、初めて酒場に立った後ろ姿と蛍の光を聞く横顔に居たたまれない思いが。なので船上のジョージアが「何時ものスタイル」の彼に見せた優しさに救いを見ました。チャップリンの価値観を痛切に感じた作品です。 |
15.《ネタバレ》 古さを忘れてしまうぐらい面白くできのいい映画。確かオリジナルに音楽を追加したバージョンもあったように思うが(私が子供のときテレビで放映されたときは、音楽+愛川欽也の語りつきだった)、そっちの方がにぎやかでずっと個人的には好きだ。DVDを入手したが音楽なしのオリジナル版だった。どこかで音楽つき版を入手できないもんだろうか? 有名な靴を食べる場面(「殺人博物館」というサイトによると遭難して人肉を食べたドナー隊の悲劇がもとになっているのではとのこと)や、飢えでチャップリンが鶏に見えてしまう場面、これは何らかの理由で断食・絶食した人じゃないと本当には理解できないんじゃないかと思う。ロールパンのダンスは動きといい顔の表情といい芸術作品と言っていい。音楽つきバージョンだと軽快な音楽が合わさってさらにすばらしい場面となる。小屋が落ちそうになる場面も印象に残る(ここも音楽つきの方がずっと効果的だったと思うが)。一方、ヒロインとの恋物語はさほど濃厚に描かれず、一方的なチャップリンの片思いにも見え、最後いきなりハッピーエンドになってしまう感じなのがちょっと強引に思えた。大金持ちになったチャップリンが貧乏根性丸出しで「まだ吸える」とばかりにシケモク(吸殻)を拾う場面が笑わせてくれる。金持ちになってもそう簡単に習性は変わるものじゃないし、また変わらない方がいい習性もあるのだ。恐らく現実のチャップリンもそうだったんだろう。いやシケモクは拾わないだろうが、苦しかった時代のことを片時も忘れたことはあるまい……。 【空耳】さん [地上波(吹替)] 9点(2010-07-15 07:18:52) |
14.《ネタバレ》 何だかチャップリンの映画には、生きる喜びだとか感動だとかロマンとか、そんなものが沢山つまっているように感じます。 それは人生の輝きといってもいいでしょうか。 人間の本当の幸せはどういうところにあるのだろうかということが、彼の映画を見ると少し気づかされるようなきがします。 全く嫌味の無い人生賛美で、見ている観客の心が温かくなるのだと思います。 観客が厭味を全く感じないのは、チャップリンがそれだけ壮絶な人生を歩み、地獄を見てきたからこそ、これだけの清い喜劇を描けるのだと思います(もし嫌味を感じたならば、それは観客側の厭味です。チャプリンは無邪気であり、邪気は見る側にあるのです)。 それにチャップリンはとても繊細でロマンチストなのだと感じました。こんな暖かい作品が作れるなんて彼は凄いですよ。この作品を観ると僕は奇跡を信じたくなります。 いや~、やっぱり夢を与えてこその映画だと思いますね。 ずっと前に彼の自伝を読みましたが、チャップリンこそは本当の天才だと思いますよ。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-07-14 03:12:16) (良:1票) |
13.靴を食べるシーンですが、ただ単に笑わせるためのシーンではなく、スラムでは実際に靴を焼いて食っていたらしく、それをコメディタッチに表現しているんだそうです。 スラム出身のチャップリンはどういう気持ちでこのシーンを演じたのでしょうか。 【eureka】さん [地上波(字幕)] 9点(2008-03-14 01:11:45) |
12.これぞチャップリン!数々の有名なシーンを語る以前に、あの切れのある動きを見れるだけで幸せです。 【ろいぶきゃなん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-16 00:05:50) |
11.なるほど、チャップリンの雪山の映画ってこれだったのか!何度見てもいい映画ですねぇ。 【トナカイ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-11-21 01:22:05) |
10.これまた素晴らしい作品。極限状態に置かれた人間の心理状況を絶妙の喜劇で笑いに昇華させたのはチャップリンならではだろう。靴を食べるシーンやパンのダンスなど有名シーン満載。特に笑ったのはジョージアと約束した後一人になった彼の喜びの演技。人間の素直で率直な感情があの場面には溢れている。彼のパントマイムの凄さには圧巻だった。パントマイムは言語や時代を超えて人間の感情に訴えてくるという彼の信念が伝わってくる気がした。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-06 06:55:09) (良:1票) |
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9.押入れを片付けていたら親が十年以上前にテレビで撮ったチャップリンコレクションが出てきた。モノクロ映画が好きな自分にとってはたまんない瞬間だったね(笑)言葉で笑わしてくれるのではなくて、体の動きで笑わせてくれるチャップリンはやっぱ天才ですなー☆今の喜劇の基礎を作った功績はやっぱすごいなぁ・・。 |
8.これが初めて見るチャップリンの映画でしたがもう想像以上のものでした。所々に置かれる彼の小技がものすごく面白かったです。普通の人間の神経じゃできないブーツ食いがあれば普通の人のように恋に落ちる。そんな一筋縄じゃいかないキャラクターにもひかれたのかもしれません。とにかくすばらしい。 【ノス】さん 9点(2004-11-12 02:45:52) |
7.靴を食べるシーンは本当においしそうに見え、驚きました。 チャップリンはホント偉大な人間だぁ~。 【ボビー】さん 9点(2004-05-05 11:32:56) |
6.映画、そしてチャップリンへの愛の深い人には、呆れられそうですが、「そうだったのかー、雪山で悶絶していたチャップリン、靴を食ってたチャップリンは、黄金狂時代だったのかー」とやっと気づいた私。 ずいぶん昔、お正月にやっていたテレビの放送で、大勢でガンガン笑いながら見た記憶のほうが強烈で、タイトルをよく理解していませんでした。 いやもうほんとにすごすぎるおかしさと感動でしたよね・・って、無知にもほどがある、とはこのことですね。 【おばちゃん】さん 9点(2003-12-18 13:02:04) |
5.風刺に見えない作品性を重視してしまうと、残るものは何も無く…。だけどやっぱりそこはチャップリン。布を羽織っただけの出で立ちで、あの場所にいるだけで可笑しい。そしてなんと言っても、空腹から靴を食べてしまう描写とフォークとパンを使った卓上芸は本当に最高だ。ゴールドラッシュに沸き、金銭欲にかられる世間の人々と無欲の探鉱家・チャーリーとの対比…。女性達にからかわれている事も知らずに、呑気に卓上芸を披露している夢を見るチャップリンの純真無垢な描写が、人間性を諷する唯一のアイロニー表現なのでしょう。後に付けたナレーションを不要に思うのは、愛すべくサイレントの魅力を殺いでしまうから…。まァ、どうせナレーションが有ったとて、英語の分からない凡人の自分には字幕を読むしか無いのだから…(苦笑)。…ちなみに、本当に靴を食べた人はいるそうですよ(イヤ、本当の話)。牛革だから、まァ食べられなくは無い…か(笑)。 【_】さん 9点(2003-12-10 22:59:51) (良:1票) |
4.初めて見たチャップリン映画。あとに見た『街の灯』や『モダン・タイムス』よりも面白かった!!いや~チャップリンっていいですね~~あの山小屋のシーンは大爆笑でした!! |
3.やばい、本当に美味しそうに見えてきた(笑)。前半はまさしく良質のコントを見ているかのようで面白い、雪小屋が傾くシーンはギャグとして一つの完成形を極めていると思います。そして大晦日の夜に独り寂しく待つチャップリンの姿は涙を誘う。パンのダンスシーンはこれからも永遠に語り継がれていくことでしょう、ビバ・チャップリン! 【かんたーた】さん 9点(2003-09-01 11:58:42) |
2.僕はこの作品を「アメリカン・ヴァージョン」で拝見しました。一般に出回っているものは、チャップリン自身が後に全体を編集し直したものです。が、僕は「アメリカン」を支持しますね!!こちらの方が、何かチャップリンらしさって雰囲気をかもし出しているんです!皆さん、この「アメリカン・ヴァージョン」を、機会がありましたら是非、ご覧下さいな!! 【福田水明】さん 9点(2003-01-23 19:48:18) |
1.なんでこれほどの名作に投稿する人が居ないんだ・・? それにしても面白い映画だった。パンのダンスや靴を食べる名シーンも面白かったけど、冒頭のガケっぷちを歩くチャップリンの姿が一番ウケた。チャップリンは天才だ! 【プレデター】さん 9点(2000-12-22 03:45:44) (良:1票) |