1.序盤、奇妙な共同生活の始まりにワクワクさせられるのだけど、物語は次第に深刻な展開を辿る。
それでも、アフリカンビートの軽快なリズムに心が躍り、悲しみをほんの少し和らげてくれる。
特にガラス越しのセッションに希望を感じられたのが良かった。
これはハッピーエンドは望めそうにないと薄々感じ始めた頃に新たな訪問者が投入される展開も自然で好感が持てる。
ウォルターとタレクの友情物語で終わっていても感動的だったとは思うけど、このギアチェンジで終盤はなんとも切ないラブストーリーの様相を見せ始める。
これもやっぱりハッピーエンドは望めそうにないんだけど、2人の節度ある関係性はとても魅力的に感じられた。
深刻な社会問題を描いたテーマはとても重たくて、どちらが正しくてどちらが間違ってるとは言えないのかも知れないけど、扉をたたく人を招き入れる優しさがなければ、物語は始まらないんでしょうね。
それにしても、こんなにも落ち着きのある深い作品なのにジャンベの鼓動に思わず体が反応してリズムを刻んでしまうのは何故なんでしょうね。
ミトコンドリア・イヴから受け継がれたアフリカのDNAが僕にも刻み込まれてるんでしょうか。