2.《ネタバレ》 実に丁寧な作りの作品で、素直に感動できました。
特にシナリオ構成が素晴らしくて感心させられます。
2人の物語が交差するまでにかなりの時間を掛けていて、やっと出会いかと思ったら険悪なすれ違い。
今度こそ出会うかと思ったら、またもすれ違い。
それでも、最終的には出会うわけだけど、最初のすれ違いをその後の展開にきっちり織り込んでるところが手堅いね。
序盤でこの出会い方だったとしたら単なるナンパだけど、じっくり時間を掛けてお互いの境遇を描いておくことで、素敵な出会いだったような錯覚に陥る。
その出会いの場での不幸自慢は明らかにアンバランスで比べるまでもなく父親失格の圧勝だけど、実はそれも伏線で、あとで不幸の天秤の揺り戻しがある。
しかも、母親失格という倍返し。
僕の涙腺はもうそこでギブアップでした。
そして、終始感じていた2人の身長差への違和感。
ネームバリュー優先でキャスティングするからこんなことになっちゃうんだよって心の中で思ってたのが恥ずかしくなるようなラストシーン。
そんな身長差の違和感すらシナリオに落とし込むという丁寧さには感服です。