1.《ネタバレ》 面白い。この一言に尽きる、何度も見たくなる系の異色の傑作です。「不死身の保安官」というタイトルからハズレか?とか思ったのですが、全くそんなことはなかったです。ジャンルは確かにコメディなのですが、その「笑い」は明らかに狙っているツボに入る人と入らない人との差が出るようなギャグのようなものではなく、常識が違う英国出身の主人公とお馴染みの西部のメンツとの両者真面目なやりとりが面白いという点での「笑い」です。
主人公ジョナサンは英国はロンドン育ちの紳士。そんな彼が、生業である銃の販売のために単身アメリカの西部の町に訪れるというお話。主人公は当然、西部お馴染みの「因縁吹っかけてからの銃でのやり取り」や銃の腕が物を言うという西部では当たり前の常識、果ては白人とインディアンとの関係も知りません(発明家のお坊っちゃん?でそもそも常識から外れているという設定も効いています)。それ故、あっさり人が撃たれ殺される様に驚き、インディアンにも普通に接し、何事も紳士的な話し合いで解決すべきだとして行動します。
特に良かったのは全く飽きないテンポとストーリー、そして挿入歌です。笑いの点では、インディアンの背後をとるスーツ姿の英国紳士という画や因縁吹っかけられても微塵も気づかない主人公などシュールな点が素晴らしかったです。
この映画は私のような「西部劇を多少見たけど時代背景とかをガチで学習してはいない」ような人にはストライクかと思います。逆にアメリカの歴史や時代背景を深く考察した人にとっては「白人とインディアンの関係はそんなに簡単なものじゃない」となるのかもしれません。
しかしそれでも、深く考えず観る系のエンターテインメントとして是非多くの方に観ていただきたい作品です。