6.《ネタバレ》 人が病気で亡くなる話は好きではないのですが、実話なら仕方がないですね。
前半はひきこもりのお兄ちゃんを引っ張り出すコメディテイスト。笑いどころが多い。スキあらばうまいことを言おうとする兄。それにつっこむ華。二人の掛け合いが面白おかしくも微笑ましい。女装させられるお兄ちゃんには爆笑必至。
後半、華の白血病が再発。事態は急変。物語は次第にシリアスなドラマへと路線変更していきます。
妹は結局年を越すことができません。それはそれはもう悲しくて仕方がないわけですが、物語のクライマックスはここではありません。兄が亡き妹のために、個人奉納で赤色の花火を打ち上げる。その一部始終を、静かに、でもドラマチックに描いた感動のストーリー。最近見た中では一番泣いた映画となりました。
父。母。病院の先生。学校の先生。同級生。翠嶂会のメンバー。新聞配達先のお婆さん。誰もが優しい人ばかり。
大切な人を失い、いったんは絶望の淵に突き落とされる。そこへ届く一通のメール。心の底から悲しい事を乗り越えて、そこから再生していこうとする物語。よくある人の死で泣かせるだけの物語ではありません。悲しさや寂しさと共に、そこには確かに希望があったのです。
88歳の誕生日を孫達に祝ってもらうおばあちゃんもいれば、17歳という若さでその生涯に幕を閉じる人もいる。
人はいつ死ぬか誰にもわからないけれど、だからこそ一日一日を大切にしようと感じさせてくれる名作でした。