2.日曜洋画劇場で観て以来だからずいぶん久しぶりですが、やっぱり面白いですね~。地味ですけど。
アメリカ文学史協会なる、何の変哲もない組織が、ある日、謎の男たちに襲撃され、職員は片っ端から殺されちゃう。消音機がつけられた銃での、寡黙なまでの殺戮。淡々と響くのはタイプの印字の音。そんな中、生き残ったのは、その時たまたま外出していたロバート・レッドフォードただ一人。実はアメリカ文学史協会は、CIAの下部組織で、レッドフォードもCIA職員のひとり。コードネームは「コンドル」。こんな冴えないヤツにまでコードネームを与えているとは、CIAもヒマなのかどうなのか。
などと言っている場合ではないレッドフォード。CIAに連絡をとり保護を求めるが、どうやら黒幕はCIA内部にいるらしい。という訳で、レッドフォードの孤独な闘いが始まるのですが。
レッドフォードが「本の虫」というくらいに活字マニア、という風に全然見えないのが、何ともかんとも言い難いのですが、一応、オタク眼鏡をかけてそれっぽく役作り。何で彼の命が狙われているのか、とか、終盤における黒幕を突き止めていく手口とか(全編にわたって、電話が印象的に用いられています)、この辺りはまあ正直、いかにも「それっぽい」だけで十分面白くて、実は色々とアラがありそうな気もするけれど、どうでもよくって。あまり背景のはっきりしない主人公の生き延びようとする姿に、都市生活の孤独なんかが反映されていて、さらにフェイ・ダナウェイの影の薄い感じが、その孤独感を強めていたりして。敵方のマックス・フォン・シドーまで孤独感に貢献する。サスペンス作品ながら、イヤでもシンミリしちゃうではないですか。