6.「007」も見たことがないし、ヒロインの女優名も知らなかったし、ジャケ写が妙にホラー風だったので敬遠していたのですが、そんな自分の不明を恥じるばかり。紛うことなき傑作でした。何より究極にツンデレなヒロインがいい。終始ピリッとした緊張感もいい。ついでに言えば、かつてTVドラマ「ER」の後半の数年間をほぼ1人で引っ張ったゴラン・ヴィシュニック(ルカ・コバッチュ先生)を初めて映画の中で見ました。チョイ役でしたが。
しかし、他の方も指摘されていますが、初見でストーリーのディテールまですべて把握するのは、かなり難しい気がします。「一族」の構成や「事件」の概要などの説明が早口な会話で展開されるから。私もピンポイントで見直して、ようやく「そういうことか」と納得できました。
そこで疑問に思ったのですが、この作品にかぎらず、映画の制作者というのは、観客の〝読解力〟についてどう考えているんでしょうね。本なら何度も読み返すことができます。DVDやHDDでも同様。しかし映画館で見るとなると、基本的に一発勝負です。観客の超人的な読解力・集中力に期待するのではなく、もう少しわかりやすくなるよう配慮してくれても、バチは当たらないんじゃないでしょうか。(批判ではありません。しかし非常に魅力的な作品なだけに、隅々まで知りたいと思うのが人情でしょう?)