3.《ネタバレ》 光と影のコントラストがとても美しい。
背景となる舞台もスゴいですね、パースが歪んでいてとても変な空間だと思う。
遠近感がオカしいんです。椅子にしても異様に高かったり、扉も歪み、家も傾いているし、、、
建物の隅っこや部屋の奥、開いた窓などに影ができて、それがとても深い「闇」をつくり出している。
光と影がその造形の異様さを強調するのです。
とても歪んでいる作品、しかしその奥にとても美しいものがある。。。
それは登場人物の大袈裟で大胆な身振りからもいえます。
その身振りから狂気が伝わって来るかの様。
手のひねり方にしても、表情にしてもなんといいますか、、、とても繊細なものを感じます。
言葉にしても、とても美しい余韻を残す。
音楽もとてもお洒落で好いんです。
チェザーレが目覚めるところは薄気味悪くてゾッとする。コワい、、、
「自分の寿命はあとどれくらい?」なんて訊いちゃダメですよ!絶対に「明日だよ」とか、そういう答えが返ってくるんだから。。。
ストーリーとか全く記憶できないんだけど、この異常なまでの映像美と怪しさに退廃に9点。
解説を見ても、当時としてはかなり型破りなことをやり
(CGとかぜんぜん無い時代に異様な空間を創り出そうとしたのは凄いと思う)
それがとてもプリミティブでリアリティがあるんだと思う。
どこまでが現実でどこからが夢かわからない。
「光の強いところには強い影が存在する」みたいなことを読んだことがあります。
この作品では「影」がとても大きく支配している。
光と影が作る幻想、、、とても怪しい世界、歪んだ「美」、、、、カリガリ博士!