9.《ネタバレ》 この映画は映画の製作現場を主題にした作品で、監督が映画造りで悩むというのはフェリーニの「8 1/2」に共通している。
しかし、フェリーニほどカオスで意味不明で変態地味て(大絶賛)はいない。
どこまでも無邪気で、純粋に映画に熱を注ぐトリュフォーの愛情に溢れている。
ティム・バートンの「エド・ウッド」のように映画について悩み、笑い、こだわり続けた男が送る心暖かいコメディ映画だ。
冒頭、地下鉄が人々が地上へと出、一人の男が歩いてくる。しばらくすると、そこに「カットッ!」と声がかかり画面の空気は一変する。
最初は何の映画かと思いきや、なんとなんと映画を撮る過程を追った映画だという事が明かされる。
トリュフォーは自ら役者として映画に出る事はよくあるが、監督そのものに扮するのは今回が初めて。
真剣な顔で声をかけ、苛立ち、俳優たちと楽しく語らいあう。
俳優達も真剣に葛藤する者もいれば、肉体関係に発展したり鬱病になったり浮気したりヒステリーになったり色んな意味で事故が多発してと波乱に次ぐ波乱。
トリュフォーの助手をする女性スタッフまで若い燕とナニをしだ(ry
監督は益々うなされて眠れず、やっと寝れたと思えば幼い頃「市民ケーン」のポスターを宝物のように取って行く姿を第三者の視点から見たり(トリュフォー自信の記憶なら、視点はポスターだけが映る筈)。
そういや「大人は判ってくれない」でも映画のポスター盗んでたな・・・。
撮影をしようとしたら妊娠が発覚して体系が変わっているみたいな話はビックリ。トリュフォーの場合本当に妊娠させそ(ry
車が崖に落ちるシークエンスは妙なこだわりを感じる。
この映画に刻まれた文句も素晴らしい。
“リリアン&ドロシー・ギッシュに捧ぐ”だそうだ。
劇中のジャクリーン・ビセットは、言葉を捧げられた女性たち以上に可憐に、悩ましく振舞う。