八月の鯨のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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八月の鯨

[ハチガツノクジラ]
The Whales Of August
1987年上映時間:90分
平均点:6.98 / 10(Review 43人) (点数分布表示)
ドラマ
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-01-31)【イニシャルK】さん
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監督リンゼイ・アンダーソン
キャストベティ・デイヴィス(女優)リビー
リリアン・ギッシュ(女優)セーラ
ヴィンセント・プライス(男優)マラノフ氏
アン・サザーン(女優)ティシャ
ハリー・ケリー・Jr(男優)ジョシュア
メアリー・スティーンバージェン(女優)若き日のセーラ
ティシャ・スターリング(女優)若き日のティシャ
藤波京子リビー(日本語吹き替え版)
京田尚子セーラ(日本語吹き替え版)
松村彦次郎マラノフ氏(日本語吹き替え版)
荘司美代子ティシャ(日本語吹き替え版)
江原正士(日本語吹き替え版)
原作デヴィッド・ベリー〔脚本〕
脚本デヴィッド・ベリー〔脚本〕
音楽アラン・プライス
撮影マイク・ファッシュ
製作キャロリン・ファイファー
マイク・カプラン
スチュアート・M・ベッサー(製作補)
製作総指揮シェップ・ゴードン
配給日本ヘラルド
美術リチャード・モリソン[タイトル](タイトル・デザイン)
字幕翻訳進藤光太
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10.《ネタバレ》 「人生の半分はトラブルで、あと半分はそれを乗り越えるためにある」。この映画の名言としてよく取り上げられる台詞である。しかし、この台詞を吐くのは主人公の二人ではなく、二人の幼馴染みである老婦人ティシャ。彼女が会話の中でサラッと言うので、名言と知られているわりに、正直、あまり印象に残らない。ティシャと共に饒舌なのは、老紳士ミスター・マラノフ。彼も人生訓のような台詞を沢山吐くが、こちらも同様にその饒舌さ故にあまり印象に残らない。

リリアン・ギッシュ。当時、御年93歳。彼女は、姉役のベティ・デイヴィス(当時、御年79歳)から常にBusy、Busyと揶揄される。生真面目で、働き者で、常に忙しく動き回っていて、教訓めいた言葉、人生を悟ったような言葉を一切吐かない。盲目で気難しい姉に寄り添い、彼女の世話をする。死んだ伴侶との46回目の結婚記念日を静かに一人祝う。隣人たちに気を遣い、彼らの話をよく聞いてあげる。姉は妹の気丈な思いを感じて言葉に出来ない感謝を抱く。サマーハウスに新しい大きな窓を付ける決断をする。そして、八月の鯨を只管に待つ。

実は、そんな彼女達の心の有り様こそ、語られない、語られ得ない、この映画の名言ならぬ非言語故の生の勁さ(つよさ)なのである。歴史に刻まれた其々の心の重み、それは一般化できない。それは言葉で紡がれる世界ではなく、彼女達自身の静謐な生の佇まいの中にこそある。カメラはそんな彼女達が連れ立ってゆっくりと歩く、その握り合う手、歩調を合わせる足元を映す。エンディングの音楽の中、彼女達が岬に佇むラストシーンの美しさ、その老齢な生の奥深さを感じ、心が震えた。
onomichiさん [インターネット(字幕)] 9点(2024-06-19 00:36:07)
9.《ネタバレ》 人生、必ずしも上手く生きてきた訳ではない。辛いことも多かった。悲しいことも多かった。掴んだと思った幸せは、指の間をすり落ちて二度と戻っては来なかった。

今、老いさらばえて病を得、体の自由も利かなくなり、遠からず訪れる死を待つのみとなった…

それでも、それでも前向きに、今を生きてゆこう。いつかまた、鯨がやって来ることを信じて…
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 9点(2020-01-19 15:27:09)(良:1票)
8.《ネタバレ》 老い先の短さの恐怖と寂寥が刺々しさに表れる目を患ったリビーの心変わりは、老い先が短くとも折り目正しく前向きに日々を送るセーラとの絆の深さがあればこそ。胸が熱くなりました。ベティ・デイヴィスの迫真の演技とリリアン・ギッシュの貫録の演技に大喝采。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 9点(2013-05-07 22:44:17)(良:1票)
7.海辺と湖畔、老姉妹と老夫婦といった違いはありますが、ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンの「黄昏」を思い出す作品です。

しかし本作は目が不自由で偏屈な姉と働き者の妹の姉妹を中心に、家を訪ねてくる来客も、登場人物は全て老人。その登場人物に一定の距離感、緊張感を含ませつつも、挿入されるささやかなユーモア。人生について教訓めいたことを声高に訴える事も無い。

人生の残り時間の少なさを感じさせる台詞もありますが、作品も演じる2人も実に悠々としている。そんな2人の姉妹に、3人の来客者の演技も脚本も、優しさのある控え目な音楽も素晴しい作品でした。

家の売却を断り、見晴らし窓の工事を依頼し、2人で海辺へ。これからも夏になるとここに鯨がやってくるのを2人で見続けていく・・・。
年老いた姉妹のこれからに希望すら感じさせるラストもまた素晴らしかった。
とらやさん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-09 22:17:13)
6.老姉妹の生活を淡々と描いた、静かで優しい映画。あんな老人になっても姉は姉、妹は妹、各々長年果たしてきた姉妹の役割を貫いているところが微笑ましい。どんなに歳をとっても、相手を思いやる気持ちや優しさを表現するのが不器用だったり。近すぎて伝わらないこととか…。年取りすぎて、裏の裏の裏の…みたいな感じになるんですかね?別に老人フェチじゃないのですが、帽子とか靴下とかフレアースカートとか、妙にかわいらしく感じてしまったのは私だけでしょうか?本当は妹役のリリアン・ギッシュの方が年上なんですよねえ。う~ん、可愛い。
へっぽこさん 9点(2003-06-18 16:00:41)
5.登場人物が全員老人。しかもストーリーは海辺の古びた家で起こるたった1日の出来事を映し出すだけ。それなのにこれだけ人生の深さや重みを語ってしまう素晴らしい作品。
KARINさん 9点(2001-07-18 13:10:06)
4.心美しく老後を迎えたい、そう思わずにいられない。しみじみさが心に染みる、そんな作品。
まろちゃんさん 9点(2001-06-07 13:00:45)
3.なんて素敵な映画なんでしょう。夏の終わりの一日を、淡々と描いているだけにもかかわらず。晩年を迎えた人達それぞれの思いが、しみじみと伝わってきました。胸に残る言葉がいくつかありまして、その中でも、輝く夜の海を「月がばらまく銀貨」と表現するところが、とても印象的でした。それから、赤と白のバラを見つめながら言う「赤は情熱、白は真実、人生はこの二つだ。」の台詞に、セーラの生き方全てが語られていると思いました。自分が晩年を迎えたとき、あのような凛とした生き方をしていられたらいいなあと、思わずにいられない作品でした。
沈丁花さん 9点(2001-03-06 13:35:31)(良:1票)
2.ストーリーには起伏にとんだ展開があるわけではなく、ごくありふれた日常を淡々と描いているすぎないのに、全編に綴られる老いと生の心地よい緊張感が人の心を捉えて離さない。老いていく人間と変わらぬ美しい自然の風景との対比を詩情豊かに描き出す。それでも肉体が衰えてもなお限界まで自分の力で、そして自分の家で生き抜こうとする老人の生き様は、人間の尊厳というものを、静かだが鮮烈に主張している。老いて目が不自由なためのイライラで、なにかとトゲトゲしい姉役のベティ・デイビスと、献身的に尽くす妹役のリリアン・ギッシュという往年の名優の共演がこの作品の命でもある。珠玉の名作とはこういった作品を言うのだろう。
ドラえもんさん 9点(2001-01-21 18:37:09)(良:1票)
1.ドライビング・ミス・デイジーに勝るとも劣らない深さです。しみじみと老後、そして、そこにたどり着くまでの生き方について考えさせられます。
うさぎうさぎさん 9点(2000-12-11 20:31:23)
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【点数情報】

Review人数 43人
平均点数 6.98点
000.00%
100.00%
200.00%
312.33%
4511.63%
5613.95%
6511.63%
7511.63%
8920.93%
91023.26%
1024.65%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 4.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 5.50点 Review2人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人
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【アカデミー賞 情報】

1987年 60回
助演女優賞アン・サザーン候補(ノミネート) 

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