1.《ネタバレ》 大阪の映画として違和感なかった。背景もあんまり不自然(十三らへんまで飛んでたけど)なとこもなく演技も演出もごく自然な感じやった。東京の人間が大阪の雰囲気をここまで自然につくるとはなあ。プロやなあ。役者陣もうまかったし、少し淡い感じの画も映画の雰囲気にあってたし、忘れ難いシーンも一杯あったよ。中でも家族4人で川の字になって寝るとこは優しさ一杯で昔々を思い出し、西日を浴びた南港あたりの防波堤で涼しげな風にあたる若菜の横顔はとても美しかった。そして父を探しに寄ったバーでのシーン。大きな色眼鏡の奥から語り掛けてくるミヤコ蝶々の味のある声と奥の窓からカウンターへ差し込む光のあたり具合なんかは切なくなるほどにかっちょよく鳥肌が立つほど痺れた。しがらみの感じられへんほんまにええ『映画』や。市川準監督の画には一人スタンディングオベーションを捧げたい。