110.《ネタバレ》 削ぎ落とされていること。研ぎ澄まされていること。この二点において、質の高さを感じさせる作品です。90分程度と比較的短い作品ですが、濃密な緊張を保ったまま、最後まで息を着かせません。冷徹な法則に従って作動する硬質な箱(CUBE)の連続体と、その中に閉じこめられた、あまりにも脆弱な人間の肉体と精神とが、見事な対比を生み、芸術的です。余計な説明がないことから、この作品世界を現実世界と捉えることも、精神世界と捉えることも、現実世界の暗喩として捉えることも可能です。私は、この箱(CUBE)を、再現性のない芸術を生むための装置として捉え、そのデモンストレーションとして本作品を堪能した・・・ような気がします。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 9点(2024-09-09 19:37:45) (良:2票) |
109.《ネタバレ》 閉じ込められたら、限りなく恐怖が広がった。 理由はなくとも潜在的に知っているんじゃないかと思わせるあたりがこの映画のスゴいところです。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-10-17 23:53:08) |
108.《ネタバレ》 劇場公開を観に行った時の衝撃が今も忘れられない映画の一本。 我々はなぜこの世に産まれでたのかなんて考えた所で答えはなく、ただ目の前の問題を一つずつ乗り越えて生きていくしかない。 誰が、何のために、ということに何一つ答えないラストが印象的。 いや、名作。 |
107.これまで何回か観てますがやっぱり面白いですね。ところで「閉じ込められたすべての人には選ばれた理由がある」みたいなことでしたが冒頭に細切れになってしまったおじさんはいなくて良かったのでしょうか。。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-06-04 19:17:20) |
106.《ネタバレ》 今作は、CUBEの存在理由、メンバーの選考方法、黒幕などの説明を一切省き、90分という枠の中に脱出サスペンスのみを盛り込んだところが素晴らしいです。 おそらく舞台セットは一つ、二つしか作っていないのかもしれませんが、『見せ方』によって空間に壮大な奥行きと広がりを感じるのが凄いです。途中で何度か『外』の描写を入れたことによって、『CUBE』の圧倒的な空間の暴力を体感できてしまうのも凄いです。 また、主人公らしき人物を配置しなかったことにより、より臨場感を感じられるのは本作の長所でしょう。強いて言うなら、『見ている自分』が主人公でしょうか。より主観的になることができるのです。主観的になれる作品は、恐怖感と緊張感が一層増します。 本作における重要なキーパーソンは実際のところ3人です。数学少女のレヴン、外壁設計者のワース、計算機のカザン。ところが、即戦力として期待できそうな警官のクエンティン、女医のハロウェイ、天才脱獄者レンの3人を配置することで、観客を見事にミスディレクションさせることに成功しています。中心人物の交代劇、パワーバランスの変動というのは、緊張感を持続させるのに大変効果的に働くものなんですね。感心します。 惜しむらくは、ストーリーが進むにつれて、脅威の対象が『CUBE』⇒『クエンティン』へとシフトしてしまうことでしょうか。どうしても後半は『CUBE』に、舞台設定以上の価値が見られないのです。それに、数学少女を殺しちゃうシーンでは急にB級っぽさが前面に出てきて残念です。それじゃあ普通の殺人鬼サスペンスと変わらないじゃないですか。 あとついでに言うなら、冒頭のスプラッタシーンのクオリティが高すぎて、スプラッタムービーファンに過剰な期待を持たせてしまうかもしれません。映像面に関しては、『怖いもの見たさ』の人間心理を見事に裏切っちゃう作品ではあるので、そっち方面を期待しすぎると尻すぼみに感じてしまうかもしれませんね。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 20:02:14) |
105.《ネタバレ》 冒頭から胃を締め付けられるような作品だ。 彼らは何故ここにいるのか。 ここは何処なのか。 そしてこの「キューブ」は何なのか。 解らない事だらけの恐怖、飢えと焦り、疑心暗鬼、「間がさす」瞬間の恐怖・・・密室でこだまする人間の狂気をたっぷり味わえる。 キューブ内の様々な仕掛けで凄惨な最期を迎える人々。とにかく息苦しく油断ならない映画だ。疲労感がハンパ無い。 その謎のまま終わる恐怖を「キューブ ゼロ」で総て種明かししてしまうのは最悪と言っていい。こういうのは何も解らないからこそ面白いのに。 まして「ソウ」みたいに犯人がベラベラネタ晴らししてしまうのも台無しだ。その点では、ワケの解らないまま死の恐怖にさらされるこの映画の方が遥かに面白いのです。 DVDに収録された短編「Elevated」も怖かったっす。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-14 20:29:20) (良:1票) |
104.《ネタバレ》 こわい、でもおもしろい。死体がある部屋に舞い戻ってきた時は、自分も心の中で「あーっ!」と叫びました。ただただ脱出だけをめざして右往左往するだけの映画なのに、最後までまったく飽きることなく、ものすごいスリルを味わいました。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-07-09 02:04:08) |
103.CUBEに閉じ込められた登場人物と同様、観ている側も何の説明もなくストーリが始まるところは楽しめる。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-17 00:57:20) |
102.《ネタバレ》 再見。やはりこの作品は、これだけで完結すべきだったと再認識。もしかしたら、外にはもう帰るべき世界がないのかもしれない、と観客に思わせないと、最後のワースの選択が厭世主義者のタワ言に聞こえてしまいます。しかし、初見時の静かな驚きを思い返しつつ、9点献上。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-16 14:10:33) |
101.自信を持ってオススメできる映画です。無駄のない演出。文句なく名作。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-07 05:51:31) |
|
100.《ネタバレ》 終始張り詰めた空気。映画として無駄の無いジャストな長さ。映像が醸し出す冷たくも美しい雰囲気。良いです。俳優陣の演技も素晴らしい。謎が全く明かされないのも、この映画に関しては想像力を掻き立てられていい結果を生んでいたと思う。最期外の現実世界に戻ったカザン。しかしあの外には本当に彼にとって幸せな世界が待っているのか。不気味な光に吸い込まれていくカザンの影。哲学めいたちょっと大袈裟な台詞が所々気になりましたが、展開に関してはかなりしっかりしていて、素晴らしい映画だと思います。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-25 17:40:06) |
【ボクマン】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-12-14 10:36:11) |
98.《ネタバレ》 キューブの中の人たちは、セルの数字が素数なら安全だということに気付くが、後である種の素数は危険だという別の法則があることが判明する。これは例えば、勉強していい大学・いい会社に入ればいい人生が約束されると、人から教えられた道を一心不乱に進んで行っても、実は世の中は学歴だけではなく、人柄、家柄、容姿、財力などもあり、世の中は決して絶対唯一の法則に従っているわけではないということを表している。 キューブの中に一人、キューブの建築に関わった者がいた。しかし彼が関わったのはほんの一部分だけで、全体の大きさ、セルの総数、キューブの中の人口などは一切知らなかった。これは、我々は確かに社会を構成する一員で、社会を動かしているが、我々が構成しまた動かしているのは社会のほんの一部であって、社会全体を動かすことはできないし、誰が動かしているのかもわからないということだ。我々は政治家に支配されているように思えるが、政治家はマスコミを恐れ、マスコミはスポンサーに媚び、財界は消費者に気兼ねする。人は皆、自分以外の何かにつき動かされているようだ。登場人物たちは、誰が何の目的でいくつのキューブを動かしているのか、その全体像を知ることは決してない。 物語は最後に、一人の男だけが脱出する。外の世界はとてもまぶしく、20m先も見えないほどだ。平凡な人生なんてつまらない、サラリーマンなんてつまらない、俺は脱サラするぞと、人は自由な世界に憧れるが、決まった時間に出勤して一日デスクに座っていればお金が振り込まれる世界と違い、自由な世界は「こうすればうまくいく」という保障は何もない世界であって、先の見えない、前例のない未知の世界で、そんな世界が単純作業の繰り返しの世界より本当にいい世界なのかどうかは誰にもわからない。結局キューブ自体が移動しているので、危険を冒して出口を探さなくても、動かずじっとしていればそのうちキューブが勝手に出口につながるのだった。何も考えず言われた通りにするのがいちばん楽なのだ。 登場人物たちは初め、「出口はどこにあるのか」「自分はなぜここにいるのか」を問い、ゴールを目指してさまよった。しかし誰が何の目的でキューブを作り、彼らがなぜこの中にいるのか、その理由は最後まで明かされることはなかった。人は今日も「人生の目的は何か」と問い続けるだろう。答えなど決してあるはずもないのに。 【高橋幸二】さん [地上波(吹替)] 9点(2008-07-29 06:41:17) (良:3票) |
97.別に口コミでもなかったですがつい見てしまった作品。何か興味をそそられてしまった。んでこの作品なんですが、終始重苦しい雰囲気で進んでいくのですが目を離すことができませんでした。ホラー?ものは一度見てしまうとネタバレ的になってしまって何回も見ようという気はあまりおきないのですが、これは展開が分かっていても何故か何度も見てしまうという不思議な魅力を持った作品です。おかげで何度「CUBE」と名の付く映画に騙されたことか・・・。(トホホ・・・。)とにかく、この映画の脚本を書いた人は天才だ!! |
96.《ネタバレ》 初っ端のシーンが強烈なのもあって、すっと世界観に入れる映画。 登場人物の一人が死んだ後、刺激的なシーンはグッと減るので人によっては退屈に感じるかもしれない。 謎を解き明かす過程も、文系な私ではちんぷんかんぷん。 しかし登場人物の心理戦・それによる性格の変化はリアルでは無いにしろ面白い。 リーダーは暴君に、フェミニストはひがみ根性丸出しの女になど、閉じこめられた空間で本性が出てしまう。 日本人としては、極限の世界においてもここまで崩壊しないだろうと思う反面、もしかしたら人間ってそういうものなのかもしれないと思ってしまい、そこに恐怖する。 そういうことを想像しながら見てしまうのでよくできた映画だなと感じた。 定期的に見てしまう作品の一つ。 【たんたかたん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-07-22 23:26:21) (良:1票) |
95.《ネタバレ》 素晴らしいの一言。登場人物たちはある日、何もかもが謎の空間に閉じ込められる。残されているわずかな手がかりを頼りとして、一致団結して脱出を試みる。だが、時が経ち、疲労の色が濃くなるにつれて、団結していたかに思えた人間たちの関係は悪化し、対立する。そして衝撃のラストを迎える。 誰のための、何の利益があるのかも分からない謎のシステムを作っていたのが、他ならぬ自分自身だったという皮肉。出口へと導く鍵は与えられるのに、システム自体の謎は明かされない不安が、現実の社会に対するそれらと重なって見えてしまう。 そしてラストシーンを、人間に対する絶望と見るか、希望と見るか。どちらにしても、最大の恐怖は人間自身であることに変わりがない。それが、後味の悪さと映ってしまうのだろう。 おまけに収録されている短編作品も良い。 【FJ.】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-06-09 03:04:43) |
94.低予算でもアイデア次第で面白い作品は撮れる、ということを改めて教えてくれた傑作スリラー。この作品の発表以降「ソリッドシチュエーションスリラー」と呼ばれる作品が多数製作されましたが、この作品の唯一無二の着想のすばらしいところは、CUBEの無機性と形状ゆえにその全体像がつかめず、空間の無限の広がりとゴールが見えない恐怖を観客に想像させる点にあると思います。予算の少なさを逆手に取ったようなアイデアには脱帽せざるを得ません。ところで、無限の広がりの恐怖という点においてネタバレを含む続編二作は完全な蛇足ですね。観ないほうがCUBEの恐怖は尾を引くと思います。でもやはり観てしまうのがファンの悲しさ。ジレンマですね。 【もっこり八兵衛】さん [地上波(字幕)] 9点(2008-01-13 14:36:01) (良:1票) |
93.今は無き六本木シネヴィヴァンで鑑賞(懐かしい。。)当時、その斬新かつ革新的なアイデアにすごく感銘を受けたのを覚えている。「SAW」シリーズを代表とするシチュエーション・スリラーが、もてはやされたのも、この作品が原点である。最も、古くを遡れば「死刑台のエレベーター」に該当するかもしれません。 この作品も正当なシリーズとしては後に2作品でてますが、やはり1作目には遠く及びません。 洗練された演出・構成。さらに素晴らしく緻密で繊細なデザインのセット美術。そして衝撃のラストシーン。はっきり言って種明かし用の続編がでる幕はなかったと思うわけで、2、3作目は蛇足です。それほど完成された作品であり残した功績は大きい。 【シネマブルク】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-12-26 10:22:16) |
92.シリーズ中1が一番いい!! 人間って醜いね!ラストは衝撃だね!まさかあの人が助かるなんてね!! 【norainu】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-12-09 17:56:18) |
91.まず発想が良い。こんな事良く思いつくな、と言う感じだ。また「何故?」が多く、それは見た人に委ねられる部分が大きい。すっきりしないと言う意見もあると思うが、個人的にはこの終わり方で良かった。団体行動ならではの内輪揉めも、本性が良く出ていると感じた。見たのは随分前で、CUBEのようなシチュエーションスリラーを幾つも見てきたが、私の中でのトップは未だこのCUBE。 【Ad】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-07 20:36:09) |