1.《ネタバレ》 「1000年に1度の春しかないラーメタル人の気持ちを、サルよ、お前たちにはわかるまい。地球という楽園に生まれたお前たちには、わかるまい。我々は、楽園とわかっていても、最後まで手を出さなかった。我々にだって未来があれば、永遠に宇宙の果てに飛び去って、凍りつくのでなければ、他人の楽園に手を出したりは・・・」 瀕死のラーレラのセリフに号泣。命がけの夜森の特攻といい、種族の生存権を優先させる侵略といい、いたるところで第二次世界大戦を経験した日本の古傷を見る思いがした。楽園に住みながら、その有難味に気づきもしない地球人に対する嫉妬、憧れ、不安、そうした思いから、ラーメタル人は地球人を「サル」と呼ぶ。そして、1000年の春の目覚めもわずかに、彼らはあえなくほろびてしまう。これほど深いテーマを、直球で、ぶれることなくわかりやすく追求しているのは素晴らしい。近年のアニメは、ジブリ作品を含めて、必要以上に複雑な要素を盛り込みすぎる。