1.一昔前はミュージカルはどうも苦手だったんですが、いまやすっかりミュージカル大好きな私としては、この「錨を上げて」なんか見るとすっかり身も心も弛緩して、さあレッツシンギング!レッツダンシング!といった気分になりますね~。海兵のケリーとシナトラ、ケリーは陸へ上がって水を得た魚のように、シナトラは逆に陸の泳ぎ方がわからない。そこで出会う子供、女性、音楽家、そしてSFXでアニメのジェリーも登場し、歌い踊るエンターテイメント。シナトラの甘い歌声、ケリーが少女と踊ったり、スージーのいるベランダにたどり着くまでのアクロバティックな身のこなし、レストランでのラテンギターの演奏、ピアノ20台連弾、などなどバリエーション豊かなメニューの数々、これはもう頬張るしかないのであります。ストーリィはゆるさはありますが、スージーにいつどうやってバレてしまうのか、ケリーとシナトラのお互い言い出せないすれ違い、イタービのけっして居丈高ではない人物設定、などなかなか楽しめました。見終わって思わずセーラー服を着て(その手の趣味はございませんが)踊りたくなる一品であります。