1.この映画のメモは私のノート4ページに渡って記されている。当日に書けたのは第ニ話までで、その翌日に第四話・エピローグまでを何とか記している。上映時間よりかかったか。それほど記憶にとどめておきたい作品だった。オムニバスなの。鈴をつけたカラスが飛びながら目にした物語、という趣向で、そのイマジネーションだけでまいっちゃう。私が思うにイタリア映画黄金期の最後を飾る名作だったと思う。汚い字を読み返すだけでも大変なので、いちいちには触れない。四つの物語は「定住と自由」といったテーマで括れそうで、4「レクイエム」の土地からも、やがて1に登場するようなアメリカへ向かう者が出てくるだろうし、彼らの前身は3「甕」の農民たちだったかも知れず、2「月の病い」の妻が1「もう一人の息子」の狂女になってもおかしくない(3だけスタイルが変わっていて民話的、第三楽章ということでスケルツォに相当するのか)。その編み込まれた感じが全体を豊かな世界にしている。私が好きなイタリア映画の味って、こういうのなんだと深く納得したのであった。