1.子どもの視点から見た大人たちという作品は数多くありますがその中でも印象深いのがこれです。まず、田舎は善で都会は悪、子どもは善で大人は悪というように感じるところがないのがよいです。母親の都合で言われるままに連れて来られ、初めは田舎の生活になじめないでいる少年。これだけで不憫で涙が出てきそう。いきなりうさぎの皮が剥がされるのを見てぎょっとするところがいい。私もぎょっとしました。いろんなところから大人の世界を覗き見する少年。そして成長するにつれ、「あの時のあれはこういうことだったのか」と懐かしく思い出すのでしょうね。ぎくしゃくしたあの夫婦が和解するであろうということは予想できましたが、夫婦はあくまでも脇として、ラストはあの少年に焦点を当ててほしかったです。そこだけ少々不満でした。