16.《ネタバレ》 その昔、テレビの洋画劇場の予告編で「衝撃のラストシーン、何百何十何発!」という、まだ未見だった私を完全に怒りにかられたのを覚えていますが、この映画、ラストシーン以外でも、全てにおいて完璧なのが理解できます。
毎回衣装が変わるフェイ・ダナウェイは、この時点で最高のファッションモデルでした。
映画評論家の町山智浩さんの本で知ったのですが、ウォーレン・ベイテイ演じるクライドが何故、女性と接することができなかったのかは、クライドがゲイだったということ。(勿論設定上の話し)
この時代に、ハリウッドでは、さすがにゲイ描写はできず、こうなったそうです。
バンジョーのBGMが、古臭さを感じさせますが、当時のヒッピーやカウンターカルチャー世代が喜んだ背景が目に浮かびます。
若くして死ぬことの格好良さが上手く描かれています。
私はヒッピー世代ではありませんが、10代後半に60年代の古い音楽に目覚め、ドアーズのジム・モリスンに出会いました。
当時の「30歳以上を信じるな」という言葉には衝撃を受け、ジム・モリスンの人生のように生きたいとさえ思いました。
今、30歳を遠に超えましたが、未だに私の中にはジム・モリスンが生きています。
この映画で彼を思い出しました。
「明日に向かって撃て」と比較されがちですが、あちらは常に未来を夢見た男性二人なのに対し、こちらは、まだ未来ある若者、実際には現実に未来を持てなかった若者二人の設定が、全く違う点だと思います。