9.《ネタバレ》 この映画に中途半端な点など付けられない!と思いました(笑)
完璧じゃないところがあろうと好きなものは好き。
「十二人の怒れる男」のラストでもそう思ったのですよ。
もうこの映画は熱血感動系だろうという予想で避けていたのですよ。
しかも後半には裁判シーンが延々と続くとあるなら(裁判映画は苦手)かまえてしまう。
ところが予想を裏切ってこの映画はコメディか?と最初から面白い。
キャプラ監督&J・スチュアートでは「素晴らしき哉!人生」ですごく感動したのですが、
黄金のコンビでまた感動させていただきました。
最初ワシントンに着いたときに出てきたリンカーンの像が後半にも出てきます。
そこでリンカーンはいったい何を待っているのかを彼女はスミスに説きます。
私はこのあたりから感動しだしてそのままエンディングまで感情移入していました。
本当の正義はバカにされてもバカになれるバカが最後に勝つみたいなことで・・
子供に好かれる大きな子供のような田舎の青年スミスが、
特に後半はこれでもかと背信横領の罪をきせられいじめられる。
おどおどしながらも正義のために戦うスミスはかわいそうであるけれど、
じめじめした描き方ではなくテンポもよいので観客はまるでスポーツ観戦の心境です。
スミスを議員に押したペイン上院議員が本当は悪い人ではないのに、
スミスの天敵となりふたりの演説合戦が続きます。
議長が大変いい役でして表情からおかしくもスミスを一緒に応援したくなる。
議員がスミスひとりを除いて誰もいなくなった・・
ところが特例として誰も聞く人がいない場合は呼び戻せ、
延々と立ち続ける限り演説ができるというのです。
この演説が長い長いのですがここまでくると根比べでしょう。
ここは映画の作り方がうまく長い演説と同時進行で、
裏ではマスコミ工作やら他の議員の思惑などでたいくつしません。
頑固を通り越してこっけいでもあるのに、
それが秘書が言ったバカになりきれれば正義は勝つ道理なのです。
秘書は傍聴席で助けるのですがもう根回しはマスコミも押さえ、
最終的には子供たちからの誤解による手紙の山を出され、
孤立無援になったスミスは・・
ラストがあれだからよかったんですが、
この監督は人がいいのか悪いのか「素晴らしき哉!人生」のように、
かなりなヤマを持ってきます。
私は後半から感動していた奴なので感涙ものでしたね。