《改行表示》137.《ネタバレ》 この映画を劇場で観たとき、リアルの仕事環境が酷くて死にそうな状況だったのですが「どんな酷い状況でもミュージカルさえあれば魂は救われる」というテーマに、すごい救われたのを覚えています。 西欧の悲劇的話でよく、現実の主人公は肉体的に死んでしまうけれども、魂は神の御許に行って天国で幸せになるみたいな落ちの話がよくあるんですけど、キリスト教など信じてない人間からすると「そんなの信じられるかよ」「現実でうまく行ってる人が酷い死を迎えた人に対する罪悪感を晴らすためのごまかしでしょう」としか思えなくて、感情移入できたことが一度もなかったのですが、この作品では、確かに神(音楽の神様?)がいた。そのように感じられた、私にとって初めての作品でした。 DVDライナーノートの監督インタビューなんか見ると「ネタバレするな」的なことが書かれているので、ここでは明確には書けないのですが、この作品は、本当は、劇場で観る(聴く)のが良いと思います。 劇場版では冒頭の音楽の場面がずっと真っ暗でした(3分くらい?)。 DVD版だと抽象画のような映像が表示されて、元々の作品の意図が分かりづらくなってると思います。 で、最期の場面なんですが、劇場だとすごい良くわかるんですけど、家などの環境だと何が何だかわからないまま見過ごしてしまう(作品テーマ的には「聴き過ごしてしまう」)可能性が非常に高くて、ヘッドホンで、周りの雑音をすべてシャットアウトした上で観る(聴く)ことをお勧めします。 入門編として、工場のプレス機のSEをしっかり聴いてみて、そこで何が起こってるかがわかると良いかと。 以上、そんなところです。 【sim】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-07-29 12:18:52) |
《改行表示》136.《ネタバレ》 最近ビョークにハマっていたので、意を決して2度目の鑑賞を決行。 1度目の鑑賞では余り良い印象をこの映画に持てなかった。 最後の死刑のシーンを目的とした不自然なストーリーがどうしても腑に落ちない。 理論を優先してこの作品を鑑賞してしまうと主人公の不可解な行動に怒りすら感じてしまう。 この作品はひたすら感情的なのだ。 そういう意味でもビョークはまさに適役。 そしてミュージカルという形を取ったのも納得できる。 記事で読んだところミュージカルのシーンは約100個のホームビデオカメラを同時に回して撮影したらしい。 監督としてはこれでも足りなかったというのだから、相当思い入れは強かったのだろう。 ビョークに対する好感がこの映画の評価に相当左右することを今回の鑑賞で感じた。 あの主人公に感情移入することが出来ればこの作品を十分に楽しむことができそう。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 10点(2017-04-30 22:24:59) |
《改行表示》135.《ネタバレ》 「見た後落ち込む映画」などなどネガティブなランキングの常連さんであるこの作品。 しかし私の中では「母の愛情・強さ」を感じることができる作品として心に残る作品です。 ビョークが演じる主人公息子対する究極の愛情を感じ、初見で嗚咽が出る程号泣してしまいました。(というか何度観ても毎回号泣です。笑) 重い題材ですが、ミュージカルを織り交ぜることで若干観やすくなっていると思います。 音楽が素晴らしい!サントラも必聴です。 多くの人に「オススメ!」という訳にはいかない作品ですが、毎回ふっと観たくなる作品。 【まりおん】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-07-24 19:41:12) |
134.《ネタバレ》 この映画がどうしてこんなにも人の心を掻き乱し、賛否両論分かれるのか。何度も何度も繰り返し観て(よく自殺しなかったな笑)なんとか自分なりに結論を得ました。この映画は踏み越えてしまっているんです。つまり、主人公セルマは頭のおかしい気の狂ってしまった人間なんです。だから、間違った選択を繰り返し、誰の助けも借りず、最後は息子のためにと幸せに死んでいく。この主人公に「やっぱりお前は馬鹿だ、不幸だ」と誰が言える権利があるでしょうか。そう、この映画のテーマはそこです。人間の幸せは主観的なものであるなら、自分を幸せだと強固に信じる人間を誰も非難できない。つまり、もしかしたら全ての人間の幸せに意味などないのでは、ということです。とても恐ろしい踏み越えてしまったテーマです。この映画が、敢えてその恐ろしい問いに挑戦する武器として、想像力の美しさを選んだことに敬服せざるを得ません。ただ、勝利できたかどうかは観る人の判断ですが。そして、この映画を徹底的に非難するレビューにこそ、僕は感動を覚えます。そこには、全ての人間の幸せには意味があると信じようとする力強さを感じるからです。それこそが人間の想像力の持つ美しさだと思います。敢えて踏み越えてまで、この映画を撮った監督に改めて敬意を表したい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-05-14 02:27:21) (良:2票) |
《改行表示》133.これを見てラースフォントリアーに惚れ込み彼の映画をほとんど見た。 しかし彼の映画を見るたびにダンサーインザダークの評価は下がっていく。 何故なら、結局この映画も観客に絶望を味あわせたいだけなのではないか?という疑問を抱いてしまうからだ。 とはいえこの映画は完璧だ。遺伝するのに何故?という最大の疑問点を見事なまでに解決してくれた。見る人を選ぶ、非の打ちどころがない一本。 【エーテル】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-01-19 14:18:42) |
《改行表示》132.こんなに賛否両論分かれる映画はなかなかありません。このような映画を「アクの強い作品」というのでしょう。主人公が「ただの少し頭の悪い母親」に見えたか、「大人になりきれていないながら立派であろうとした母親」に見えたかによって評価が分かれるのかもしれませんね。私は当然後者です。まるで子供のような親は世の中に腐るほどいますが、子供を第一に考える親であれば、どんな親であろうと無問題であると私は個人的に考えています。それにしてもミュージカルの形式であるのにここまで全体を通して暗い映画もめずらしい。ラストは特に悲惨なものであるが、一概にこの映画をただの悲劇と呼ぶことはできません。 またこのような作品がでることを私は待ち望んでいます。 【べいんびーる】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-03-11 19:14:55) (良:2票) |
《改行表示》131.こういう絶望的な展開で、引き込まれる映画はとても貴重だと思う。 普通の娯楽映画に観飽きてしまった人に観て貰いたい作品。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-03-29 13:40:15) |
130.《ネタバレ》 この映画を観ている間だけは、セルマは確かに存在していたのです。セルマの行動に、どうして、そう自分を追い込むんだ!と本気で心配し、音楽を思い出せてくれた看守さんに、本気で感謝し、そしてセルマが死んだ時、大切な人を本当に亡くしたような気持ちになりました。架空の人物とはいえ、忘れられない人です。 【Yoshi】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-01-14 22:21:38) |
129.《ネタバレ》 自分としては映画はこうあるべき、と言うのは持っていないのでこの評価です。映画は、それが美しかろうが、目を覆うものであろうが、幸福であろうが、悲劇であろうが、印象的だろうが、何も後に残るものがなかろうが、一瞬だけ光るものがあれば良いと思っています。そこで、この映画、確かに主人公に対する仕打ちは酷すぎて、まさにある意味ではご都合主義的ではありますが、それとミュージカルシーンのコントラストが素晴らしい。ビョークの歌が良い、と言うのももちろんですが、それを更に輝かせているのは紛れもなくこの映画全体の救いようのない悲壮感だと思います。理解できるかできないかはもちろん人次第なんですが、自分的にはただそれを感じるだけでも鳥肌ものかとも。 |
128.《ネタバレ》 まずみなさんもおっしゃられてるように、グラグラカメラとシーンの移り変わりが唐突なのは不快ですね。ミュージカルでのカメラワークがきっちりしてるので、現実と空想の差を表現したかったということなのでしょうが。そしてこの映画がミュージカルだって知らなかったので、工場でみんなが踊り出した時はビビリました。まあセルマの空想なわけですけど、あんまり突然すぎて受け入れづらかったですね。「オペラ座の怪人」はモロにミュージカルだからいいけど、この作品の場合ストーリーで十分引き込まれる内容なだけに、ミュージカルの部分になると何か恥ずかしい気持ちになりました。それにしてもこの監督は人間のヤなとこを描くのが好きですね笑。「ドッグヴィル」もそうだけど、トコトン主人公を堕とす。多分人間の事が嫌いなんでしょう笑。しかし、セルマは「私は強くない」って言ってたけど、強いですよ彼女は。何があっても笑顔だし。息子の手術の成功を知り、大好きなミュージカル(そこにはバイオリンもコーラスもなかったが)の中で死んでいった彼女。もう涙が止まりませんでした。でも、セルマに会いたがってた息子の気持ちはどうなるの?実際「ジーンに必要なのは(目じゃなくて)母親よ」って言ってたし。そこは引っかかりました。あと最初の方しか出てきませんでしたが、ジーン役の子の演技がかなりうまかったと感じました。「ミュージカルではヤなことは起こらない」か…。 |
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《改行表示》127.《ネタバレ》 セルマの死は当然だったと思います。 それが母親の姿としてどうかは賛否が分かれていますが 自分には究極の愛が垣間見えたような気がしました。 虐待などのニュースが多い中、 今の時代の母親に足りないものかもしれません。 【05】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-01-03 21:43:36) (良:1票) |
《改行表示》126.《ネタバレ》 素晴らしい作品。子供の居る人なら、死を選んだセルマの気持ちはよくわかると思います。 あの子は「何故死んだんだ!」って思うかもしれません、多分思うでしょう。しかし 大人になれば母の愛情がきっと理解できると思います。愛情とは必ずしもすぐに伝わる ものではありません。 【まんせる】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-10-30 20:23:19) |
125.視力がどんどん落ちていく苛立ちとか苦しみ、恐怖、将来への不安、自分は強度の弱視なので(手術もしました)よく解るつもりです。ラストの選択ですが、愛する息子に同じ苦労を味あわせたくない母親の気持ちが伝わり残酷ですが自分には後味は悪くありませんでした。プツプツ途切れる映像処理は嫌いですが後半は完全にストーリーに入り込み気にならなくなりました。あと主役の演技は完璧でした。点数は久々映画で心が激しく揺れたので満点です。 |
《改行表示》124.《ネタバレ》 10点と0点がこれほど多い映画は非常に珍しい。善くも悪くも印象深い作品だからだと思う。私は10点をつけたい。 批判的な意見の多くに、セルマは愚かで利己的、さらには馬鹿すぎるといったようなものまである。確かにセルマの行動には一般的には理解し難いものが多々あるのは事実だろう。もっと他の選択肢があったはず・・そう思わずにはいられない。滑稽に見えても仕方が無いかもしれない。しかし一つ考えてほしいことがある。それは彼女が重度の視覚障害者であり、金銭的にも決して恵まれた人生を送ってきたわけではないということだ。そういった閉塞的な環境が彼女の人格形成や知能に不利に働くことは想像に難くない。もしも彼女と同じような過酷な人生を強いられた場合、はたして私たちはどこまで常識的で、あるいは立派でいられるだろうか? それでも彼女には唯一の信念がある。息子の目を治療し、自分と同じ人生を歩ませないことだ。病気が遺伝することをわかっていながら産んでしまった息子への償い、そして母親として果たすべき最後の責任として。息子に必要なのは母親ではなく目なんだと、必死でキャシーに訴えるセルマの叫びが私は忘れられない。彼女も死にたくはない。死ぬのは怖い。しかし何をさし置いても、彼女にとっては息子の人生には目が大事なのだ。それは目が見えないことによる苦しみを彼女自身が一番わかっているからだろう。あまりに不器用な彼女の生き方が、私にはあまりに純粋で美しく見えた。どんなに滑稽で愚かだとしても、ひたすらに息子のことを想う彼女の生き方を誰が責めることができるだろうか。 この映画は娯楽ではない。エンディングは最悪である。救いは無い。観なければ良かったと後悔するかもしれない。しかしこの映画は他の映画にはない衝撃を間違いなく与えてくれる。それが善きにせよ悪しきにせよ、それだけで意味のある素晴らしい映画だと思う。 セルマという人間を見事に演じたビョークと、ダンサーインザダークという作品を情熱と信念を持って造り上げたラースフォントリアーに心から感謝したい。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-07-02 00:38:17) (良:1票) |
【コジコジ3】さん 10点(2004-06-27 10:54:27) |
122.《ネタバレ》 ミュージカルってことで長いこと鑑賞しないまま放置していたことに後悔。重いテーマながら、セルマの心の描写をミュージカルとして表現することで、観るものを癒してくれています。秘密を打ち明けるシーンでは、思わず「しゃべっちゃダメ」と叫んでしまいたいぐらい見入ってしまいました。しゃべったことで盗まれることまでは想像できましたが、その先の展開には驚愕。ショッキングな展開だっただけに最後まで母親として気丈に生きたセルマの人生は涙なくしては、見る事ができません。間違いなく感動の1作です。 【tantan】さん 10点(2004-06-21 14:34:04) |
《改行表示》121.これほど物語の“明と暗”をうまく表現した作品は他にはないんじゃないかな。 確かに、悲しく辛い話だけど、見る価値はあると思う。 【夏目】さん 10点(2004-06-11 11:44:24) |
120.とにかく美しい。ここに出てくる哀しさも貧しさも無知も救いのなさも。ビョークの歌声によって全ては美しく昇華されてしまった。もう一度みたら目がさめるかもしれないが、今はとにかくそうとしかいいようがない。 【馬飼庄蔵】さん 10点(2004-05-03 16:54:33) |
119.ストーリー部分からミュージカル部分へうつるとこ、ドキュメンタリーチックな撮り方から、ミュージッククリップみたいな撮り方へ、この部分、今まで観たミュージカル映画(そんなに多くないけど)の中で一番ゾクゾクきてかっこよかったわ。必見やと思う。世界観も独特で好き嫌いわかれるやろーな。観るものに不安感と安堵感を交互に抱かせるような世界観かな。ビョークの風貌がまた独特やから、よけ狂気の世界っぽい。観るときはこっちの体調整えとかな結構へこむし。ただ、俺個人としては、このビョークのアイルランド系っぽい音楽はあんまり好きじゃないし、ダンス自体も特別すごいと思わんし、話自体も救いないし、観た後暗い気分になるしで、二度と観たくない。けど、一度はふれてみてもいいかも。この世界に。 【なにわ君】さん 10点(2004-04-21 22:20:40) |
118.重くて暗い映画。たとえどんなに悲しい映画でも、感動できたり、反発できたり、何かしらエネルギーをくれるものだが、この映画はエネルギーをすべて奪って行き、なお、エネルギー源もつぶされた。普段はスタッフロールは見ないがこれは動く気力がなくなりただボーっと最後まで見てしまった。あまりの影響力に、最悪だなと思う反面、すごい映画なんだなとも思う。まぁ結局ビョークの歌声のすばらしさに魅せられて5回くらいみてしまったんだが・・・。暗い現実とは逆に妄想の中の明るい音楽、明るい笑顔、明るい踊り。人間が内に秘めるものの大きさを感じさせてくれた。 【ぷりんぐるしゅ】さん 10点(2004-03-12 20:56:55) (良:1票) |