1.《ネタバレ》 地球。
太陽の恵みを受け、水を育み、緑が茂り、生物が棲む命の星。
地球は素晴らしく、偉大で、優雅。
そして時に厳しく、儚く、脆い。
太陽が1ヶ月以上も昇らない北極。
地球上の酸素の3分の1を与えてくれるタイガ。
季節の移り変わりのない赤道付近の熱帯雨林。
行けども行けども砂ばかりの乾いた砂漠。
そして、そこに適応した動植物たち。
この作品に映し出される全ての映像に息を呑み
観たこともない素晴らしい景色
生きるか死ぬか身体ひとつで生きる動物たちの強さに圧倒された。
そして季節ごとに変わりゆく植物の生命を目にし
改めて太陽と水の存在に感謝した。
その太陽と水の有難さを中心に
北極グマ・象・ザトウクジラにスポットを当て作品は進む。
生まれたばかりの北極グマの赤ちゃんと母親が
氷が張った海にエサを求め旅立つ。
象は乾季になり水を求め何千キロも旅をする。
ザトウクジラも荒れ狂う海の中ひたすら南極へと突き進む。
彼らが危険を冒しても旅をするのはただ生きる為だ。
常に死と隣り合わせ。
過酷な旅を終えた彼らの表情はまさに至福の顔だ。
オアシスに辿り着き、水中を泳ぎ水遊びをする象。
仲間がライオンに襲われ、砂嵐の中群からはぐれてしまったものもいた。
そんな過酷な旅を終えた彼らのはしゃぐ光景が目に焼きついて離れない。
越冬の為モンゴルからインドに向かうアネハヅル。
彼らは世界最高峰のピレネー山脈を越えなければならない。
乱気流によりなかなか山を越えられない。
まさに命がけの山越え。
彼らの逞しさに涙が止まらなかった。
観たこともない水で覆われたサハラ砂漠。
乾季を終え、雨季がもたらした大量の雨水でできた湿地帯。
水中を歩くキリン、一方慣れない様子で歩くサル達。
皆、水があれば生き生きとしていた。
地球上に生きる動植物は全て環境に影響されている。
彼らは受身だ。
このまま温暖化が進めば2030年までに
北極グマが絶滅してしまうそうだ。
海中でも温度が上がりプランクトンが減り
食物連鎖の関係も崩れていく。
私たち人間がこの環境を変えなければこの景色は失われてしまう。
この作品も地球温暖化の深刻さを私達に投げかけ幕を閉じた。
ただ地球の素晴らしさに感動するだけでなく
これからの地球を考えていこうというメッセージを。
この作品が遠い過去のものになってしまわないように。