1.《ネタバレ》 病気になったとき、けがをしたとき、今までと同じはずの風景が、まるで違う景色に見えてくることは確かにあります。ですがその感覚っていうのは、当事者にしかわからないもので、非常に言葉にしづらい抽象的なもののはずなんです。その感覚をこんなにリアルに感じ取ることができるなんて、すごいことだと思います。
検査や診察の結果を妻に言い出せないでいるジャック(ウィリアム・ハート)。車椅子に乗ることを拒否するジャック。不安、プライド、孤独、焦燥感。ジャックの複雑な感情の起伏が、時にはジャックの目線で、時には妻や患者仲間のジューンや同僚の目線を通して画面から絶えず発信されてくるのです。
この映画では、1シーン、1シーンが、どれも重要なメッセージを伝えてきます。ものすごく丁寧で、ものすごくリアルで、ものすごくアツくて、それでいてものすごく静かなドラマです。心揺さぶられる物語です。
そして、ラストの屋上のシーン。
ジューンから届いた一通の手紙。
それをわざわざ屋上へ行って読むジャック。
そしてその手紙の内容が・・・。
うわー。やられたー。
この手紙・・・一生忘れることのない手紙になりそうです。
今まで見たことがある中でも、ベスト3に入るラストでした。