1.《ネタバレ》 素晴らしい。
2011年7月8日時点で2011年度観賞作品中、ダントツのNo.1。
結末が判っている作品にこれほど迄に感動し、同時に打ちのめされるとは。
私も主人公と同様、誰にも行き先を告げずふらりとオートバイで出掛けるのが好きだ。
「一人旅は気楽だ」などと思いつつ、実際は旅先で寂しくなって意味も無く妻にメール
してしまったりもする。
母親からの電話に出なきゃと思いつつ、忙しい事を理由にわざと電話に出ない事も有る。
なので、私はジェームズ・フランコの様にカッコ良くは無いが、上映開始早々の幾つかの描写だけで主人公への感情移入はかって無い程のものだった。
大部分が主人公の独り芝居だけの構成ながら、最後まで中だるみさせず作品を描き切ったダニー・ボイル監督の手腕は流石。 この監督、やっぱり潤沢に予算のある大作よりも、本作の様なある程度良い意味で小粒な作品の方が性に有っている様だ。
そして何より、主人公を演じたジェームズ・フランコの上手い事!
クライマックスの例のシーンだけ妙に話題になっている様だが、彼の演技無くしてあの描写は有りえない。 並の役者なら単なる悪趣味な映像になってしまうところだっただろう。
私は映画観賞という行為は、自分の日常を意図的にリセットする「前向きな現実逃避」であると思っている。 今までも多くの作品・多くの演技に沢山の活力を与えてもらったが、本作で得られた活力はまた格別だった。
ありがとう!!
(余談:サムサッカー・サムさん、私のレビューは貴殿レビューの盗作ではありません。投稿し終えて一通り他の方のレビューを読み、偶然ながら同じ様なレビューであった事を知り本当に驚きました。 同じ様な共感を得ている方が居て私は素直に嬉しいです!)