1.《ネタバレ》 荒唐無稽なストーリーに哲学的な内容を孕んだSF映画。大人のためのお伽話とも言える。野蛮人となった人類に神が武器をばら撒き、殺し合いをさせている未来世界。野蛮人のリーダーである主人公が、謎の人物の導きによって知性に目覚める。そして廃墟の図書館で偶然『オズの魔法使い』を読んで、神への懐疑が生まれるという設定は秀逸。神の住む都、ボルテックスの正体は、永遠に生命を保つシステムを発明し、生きる屍になってしまった科学者たちの象牙の搭。いかにも70年代的なノリの映画だが、とても独創的で映画の魅力は色褪せない。ラスト近くの殺戮(神から人への回帰)の場面は衝撃的だが、その後、人は限られた命で、愛し合い、子供を育て、老い、死んでいくというシンプルな真理を語って物語は静かに幕を閉じる。