6.シャッフルしすぎて分かりずらくなってはいるが、要するに、ある家族を中心としたロシア・ソ連史。そして、Jホラーの源流。 【Snowbug】さん [DVD(字幕)] 10点(2016-12-28 21:49:51) |
5.記憶の断片が無秩序に並び、それはカラーだったり色を失ったり。さらに各々の人物は台詞をつぶやくように語る。自分は画面に向かい、覚醒していながら、「夢」を体験している気分だった。明確なストーリーがなくてもラストまで酔えるのは、映像の美しさの奥に流れる、センチメンタルな潤いを感じるから。母性への憧れ。異性、子への愛情。自然の美にそれらの感情を溶かして、決して力むことなく、一篇のポエムを歌いあげている。そして、間に入るドキュメントタッチの映像があってこそ、人類が歴史というものに抱かれて、そこから逃げ出しようもないという哀愁を帯び、さらに深いのだ。ストーリー性が弱いだけに、かえって観る側の想像力が広がり、鑑賞後には、不思議な充足感が残る。あれだけ映像の数々が無秩序に散らばっていても、決して意味のないばらばらの「絵」を寄せ集めたものではないからだ。映像のコラージュ的作品で、その中に、監督の類まれな集中力を感じる。 【tony】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-06-13 10:41:38) (良:1票) |
4.先日ほぼ20年ぶりに観ました。初回に比べていささかたりも感動は衰えませんでした。冒頭あたりで言葉の限界を指摘する一節があったように、この作品は記憶の交錯であって、物語ではありません。記憶の主体もさまざまで、一貫性は拒否されています。言うまでもなく物語性は人間精神に不可欠な要素ですが、最近はことに安易な物語が垂れ流しになっているため、本作品のようにイマージュを志向というか、むしろそれと戯れることが与えてくれる解毒作用。それが心地よいです。監督の父、アクセニーの詩もここではいわゆる伝達する「言葉」ではなく、言葉の根源・元型を示唆する神秘的象徴なのでしょう。また、タルコフスキーといえば当然ながら「水」が美しい(さらには妖しい)ですが、この作品ではもうひとつ「風」がすばらしい映像で描写されています。自然のなかで万物が感情と意志を持つかのような汎神論的雰囲気が懐かしい。こういった映像が感じさせてくれる「鏡」=「神」ならば、日本人としても比較的受け入れやすいでしょう。もちろん一般化はできませんが。ともかく、奇跡的な作品です。 【バッテリ】さん 10点(2004-02-08 15:45:43) (良:2票) |
3.断片的に流れている映像から主人公の懺悔の気持ちやノスタルジーが伝わってきて、更にそれが私的なものから普遍的なものへと広がっていると感じた。また、惑星ソラリスと違って、この映画のノスタルジーは充足することがないまま終わってしまうので、時間というものは残酷であると強く感じずにはいられなかった。それにしても 言葉では表すことのできないような美しさがありますね。 【たましろ】さん 10点(2003-11-14 23:34:03) |
《改行表示》2.最高です。 陳腐ですが、タルコフスキーには、 映像詩人という言葉が本当に相応しいと思います。 この映画にとってストーリーは、 映画を成立させる為の一手段でしかないんだと感じ、 こんな映画もアリなんだと感激しました。 誰にも真似できない映画です。 音楽も最強。 【コーラL】さん 10点(2003-11-09 09:17:55) |
1.人気ないデスなぁ~映像の美しさは個人的に今まで見た映画で一番です。難解ゆえ敬遠されてる節があるけど、映像美を楽しむと割り切ってみてもらいたいね。なんてたって映像の革命児タルコフスキー黄金期の作品だし、惑星ソラリスより、息をのむ美しさ、火と水の見事な対比など難解さがいいあんばいに相乗効果を生み究極の映像の世界にどっぷり浸れる作品。タライで髪を洗う女、鏡をのぞき込む顔、印象に残るカットがこれほど多い映画も珍しい。タルコフスキー映像美学はこの映画で達成される。 【ゆたKING】さん 10点(2002-12-30 17:34:52) |