5.どうしてもペキンパーは自分の手で西部劇の幕引きをしたかったのでしょうか。昼下がりの決斗で始めたテーマ(ダンディー少佐で会社に勝手に改変させられた恨みを糧にして?)をワイルドバンチで結実させて、更に暴力描写のみに気を奪われた頭の固い評論家筋にまで本作でぐうの音も出ないカウンターパンチを浴びせてしまいました。もう西部劇は作らないのかと思っていたら、もっと分かり易く大衆向けにビリー・ザ・キッドでだめ押しをしようとするなんて・・自分だけメキシコに移住して西部劇そのものを独り占めしたかったんでしょうか。この頃のペキンパーの連作する作品は本当に何か奇跡が起きているとしか思えないほど輝いていました。「こんな凄いのばかり作っていたらやり残した事がなくなって死んでしまうんじゃないか」と恐れていたら本当に訃報を見て驚きました。ワイルドバンチと本作を踏み絵に差し出されると、次のアプローチ(私的にはシルバラードや許されざる者という感じがしますが)までにあれだけ時間がかかったのも分かる気がします。 【Dr.H】さん 10点(2004-06-13 15:45:54) |
4.さすが、このサイトのレビュアーの皆さんはわかっていらっしゃる! 個人的にはペキンパーの最高傑作。時代に取り残されていきながらも、信念を貫き通す男の美学。これぞペキンパーの真骨頂! 女子供にはわかるまい! この作品がレーザーディスク化された時、いったい何人のペキンパーファンがむせび泣いたことでしょうか。 【伊達邦彦】さん 10点(2004-02-23 06:18:56) |
3.いい顔してるぜ!ジェイソン・ロバーズ!!ペキンパーにしては珍しくコミカルな演出が目立つ作品だが、なんともいえぬ襞のある演出がたまりませぬ。情感というものをこれほど感じる、かわいげのある映画っつうのもなかなか見当たりませんなぁ。善人でも悪人でもない「人間」ケーブル・ホーグのいとおしさをエロ牧師ワーナーが飄々と謳う・・・もう、泣いちゃうから!!それにしてもS・マーチンはいい仕事してるなぁ! 【モートルの玉】さん 10点(2003-08-02 18:20:00) |
2.僕にとっては「ビリーザキッド21歳の生涯」や「昼下がりの決斗」に次ぐペキンパー作品。この監督の作品はよく「暴力の美学」という表現をされるけど、それはおそらく2次的なものであって、もっと端的に「生きること(死ぬこと)に対する美学」と言って構わないと思う。そういう意味では、失われつつあるフロンティアの時代に擬え、現代的喪失感の中で誠実であるということはどういうことかを問うニューシネマのハシリであり、実に哀しく、それでいて生命力溢れる映画なのである。 【onomichi】さん 10点(2003-01-19 01:01:01) (良:2票) |
1.ずっと前にTVで何も知らずに観て以来忘れられない映画。時代と共に滅び行く人たちを描いて、「ワイルド・バンチ」と並ぶペキンパーの名篇。ジェースン・ロバーズもステラ・スティーヴンスもデイヴィッド・ワーナーも実にいいが、ストロザー・マーティンのゲスさみっともなさにものすごい味があり、ペキンパーの心を感じた。 【アンドロ氏】さん 10点(2002-12-09 21:54:03) |