2.インド上位中流階級の結婚式を含む数日間の愛と信頼の物語。外資が入っているし、監督が現在はアメリカ在住ということもあってか純正インド映画とは趣が異なり全てが洗練されてスタイリッシュ。でも、純正のインド映画らしくないからダメだなんて否定は絶対にしたくありません。今の日本だってサムライ・チョンマゲ・ハラキリの国ではありませんからね。伝統的なインドらしさも残しつつ、グローバル化やボーダーレス化、情報化、ポップ音楽が流行り、性に対してもオープンになり、めまぐるしい発展を遂げる現代のインドをよく反映した仕上がりになっていると思います。わが子を愛するがゆえに口うるさくもなり厳しくもなる、父の苦悩。ウェディングプランナーとメイドとの恋、等等。
こういう色々な話を同時進行で進める作品って大抵どれかがおそろかになっていて、あの話はこうしたほうがいいとか、あの話は余計だったなんて感じることが多いんですが、この映画は全ての話をうまく丁寧にまとめており、誰も、どの話もおろそかにされていない。この監督のやさしいまなざし、姿勢が作品の全てに満ち満ちていたと思います。
映画を観てこんなにうっとり幸せな気分になったのは久しぶり。ラスト雨の中の婚礼シーンは一緒に踊らずにはいられなかった人が沢山いるんじゃないかと思います。私も踊っちゃいましたよ(笑)。
(DVD特典に歌踊りのシーンだけのセレクションがあると良かったな。サントラだと音楽だけだけど、やっぱり踊りと一緒に楽しみたいから。)