1.凄い、これはホント凄いです。密室劇でありながら登場人物の多さに多少混乱しますが、スピーディーな展開+キャラクタそれぞれが至るところで細かい演技をしている為とにかく目が離せない。私的にはジェレミー・ノーザム(ピアノの弾き語りにウットリ)やエミリー・ワトソン(実は意外と長身なこの人)、ヘレン・ハント(いつの間にかいた)等渋々キャストが出てるだけで嬉しいのに登場人物の人物描写が濃厚でワクワクさせられました。しかも上流階級層とその下の使用人達の安住の場である下級層という一つの屋敷での密室劇でありながら二つの舞台が設けられ今までに無い面白さがあります。緻密なカメラワークや細かい人物描写でストーリーをグイグイ引っ張っていきながらも、アルトマンらしく俳優の演技に任せたような即行演技的な所も随所に観られます。この辺はもう巨匠の余裕ですよね。富豪の殺人事件を大きな背景にしながら、実は事件の犯人や目的、展開はいたってシンプル。事件自体はどうでも良くて、その前後で多種多様の動きを見せる人々達の心理劇が本来のテーマですね。豪華な衣装や家具、使用人達が見せる作法や雰囲気もかなり凝っていてホント全てがスゴイです。何気なしにボ~ッと観てると完全においてけぼりを食らいます。これぞマジックです。