5.《ネタバレ》 アニーホールなどの様に、アレン独特の恋愛理論が語られ、一般には難解な映画なんだろうか?という考えをもっていたが、初めて観たその瞬間に、アレンは本当の天才だと心から感じた。
まさに映画好きの映画好きによる映画好きのための映画だ。
もしもスクリーンの中の人が現実世界に現れたら、、、
誰しも想像する夢のようなファンタジーを、美しく、皮肉も込めて描いている。
ミアファローの演技も目を見張るもので、喜怒哀楽を全身で体現している。
そして、何よりも脚本が素晴らしい。
この時代の人たちは、映画に勇気づけられ、励まされ、映画に恋をしていた。
辛いことがあったら、映画を観る そして元気になれ、また映画を観に行きたくなる。
そんな映画が好きな人の気持ちを、繊細に表現したラストは秀逸。
ウディアレンの過去の発言にこんなものがある。『大抵はささやかな希望がどこかにある。『カイロの紫のバラ』のラストでさえそうだ。ミア・ファローが映画館に戻り、フレッド・アステアの映画を観始める。観客は彼女が少なくとも自殺することはないだろうと思う。』
映画とは僕らに勇気も希望も与えることができる、素晴らしいものなのだ。
人生で必ず一度は観て欲しい、傑作映画。