1.この作品は日本初の長編アニメーションで、おそらく作者は「海軍省後援」の戦意高揚作品でもなんでもよくて、とにかくアニメ映画を作ることができる幸せに満たされていたのではないかな~と思います。その意味では創意高揚作品とも言えますね。作画は丁寧だし、構図、アングル、カット割は豊かだし、伏線は効いているし、歌は楽しいし。「あいうえお~、かきくけこ~、・・・」なんて見た後ずっと口をついて出てきます。桃太郎を隊長に動物を擬人化、声はすべて子どもが担当し、牧歌な雰囲気が出ていますが、リアルな兵器、後半の占領作戦は結構生々しくて、おそらくパレンバン落下傘部隊やシンガポール陥落の山下パーシバル会談を下敷きにしたと思われるシーンなど戦史を学ぶ上でも大変興味深い作品です。歴史的に意義ある作品ですが、完成度の高い当時のアニメ技術にも注目したい作品でもあります。