1.《ネタバレ》 ジョン・フォードが描く先住民(インディアン)視点の映画、という意識を持つと肩透かしです。結局は白人目線ではないのか、という印象でしょう。散々悪役にして名作を撮っておきながら最後ぐらい懺悔を感じさせろ、という批判も頷ける。まあ、そういう先入観を抜きにすればこれは傑作です。まず、世の中はこうやって戦争が起こるという真実を描いている。関係者のちょっとした勘違いや思い込み、マスメディアのフェイクニュースの暴走、何でもいいから敵を殺したい人、現場を知らない上層部。アメリカに限らず世界中の戦争はこうやって起こったんだろうな。そして、味方の中にも色々な連中がいる。決して一枚岩ではない。命令に冷酷に従う者に人間的な恩情のある者、個人的な感情に流される者。んで持って、結局これは映画ですよ、エンターテイメントにしないといけない、という視線。まあ、これは監督の制約でしょうね。そういうことを考えると味わい深いスペクタクル巨編。シャイアンの誇り高い生死感は白人監督としては良く描けていた。多分あっただろう、気持ちはわかるが少しはヒットさせろ、という会社の上層部の顔を思い浮かべながら撮ったにしては良いんじゃないか。ワイアット・アープやドク・ホリディの描き方もいいね。何もわからねえアホどもは相手したくはないが、絡んできたら痛い目に合わせないと示しがつかない。やれやれ、俺も歳をとったなぁ。