34.今後、これ以上の映画が登場するのかと不安になるほどの出来です。通常の映画2本分の長さでありながらダレる間がなく、見終わった後の達成感もひっくるめて見ている側も旅に参加したような気分になれます。「ナルニア国物語」の完成度と比較すればわかりますが、予算がかかっている、技術レベルが高いなどの理由だけでこれほどのものは到底作れるわけがなく、ピーター・ジャクソンという監督の采配あっての完成度です。ひとつひとつのシーン、ひとりひとりのキャラクターを監督が愛情をもってきめ細かに描いている密度があるからこそ、これほど上映時間が長くても見る者の目を離させることなく、自然と集中して見られたのだと思います。セリフのあるキャラクターの心情をじっくり伝えるだけでなく、軍勢をなすオークやトロルの一体一体までに個体差があり、彼らが痛がったり怖がったりする様子までさりげなくも几帳面に描かれているという仕事の細かさはまさに驚異的。このおかげで合戦の連続のこの第3部もただド派手で大味な作品にならずに済んだのだと思います。ストップモーションのキャラクターに個性を与えたハリーハウゼンの仕事をCGの時代にやったのが本作の功績のひとつでしょう。またこの映画の大きな功績だと思うのが、文章のイマジネーションに実写が負けていた部分を相当革新させたことです。例えばトロルやオリファントが軍勢を蹴散らし、ドラゴンが空から襲ってくる様子。文章においては表現されてきたこれらの光景も映像としては実写どころかアニメですら再現されておらず、作り手のイマジネーションが文章に至っていなかったひとつの例だと言えますが、ピーター・ジャクソンという人物は今までできなかったこの映像を十分に説得力ある形で見せてしまっています。また箱庭のような狭っ苦しい印象しか残らなかった実写ファンタジーの世界観を映画史上はじめて覆し、どこまでも広がるような世界を再現、エルフの高貴さや指輪の邪悪さという実在しないものまで十分な説得力をもって表現しているのは驚くべきことです。これがなければフロドの旅の過酷さやゴンドールが挑む戦いの絶望は伝わらず、困難に挑む登場人物たちの苦悩やそれに打ち勝つ勇気という指輪物語のテーマの表現はできなかったでしょう。そんなわけで、世界でピーター・ジャクソンでなければ作れなかった、これ以上の完成度は考えられない映画史上の金字塔と言えます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 10点(2006-11-12 21:46:38) (良:2票) |
33.《ネタバレ》 原作にある、最後のホビット庄でのサルマン&蛇の舌VSホビットカルテットの対決がはしょられていたのがやや不満ではありますが、三部作の締め、それもSEE版とくれば10点献上せざるを得ません。 【丸に梅鉢】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-30 22:31:13) (良:1票) |
32.いやぁー凄いですね!SEEの3作を何日かに分けて見たけど、どれも面白いです。3作のSEEを全て見ると11時間半位なるけど、そんなに長い時間を感じないし、追加された場面も結構貴重だと思います。サルマンの最期なんかカットしちゃいけなかった気がします。こんなにすばらしい場面をカットするくらいなら、3部作ではなく、4部作にしてもらって、映画館で見て見たかった。なかなか難しいのでしょうけど。王の帰還で終わってしまうのが惜しいくらいです。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-25 12:39:12) (良:1票) |
31.点数はスペシャル・エクステンデッド・エディション(以下「長時間版」)3部作、計約11.5時間分全ての点数です。 これだけ拘りに拘りぬいた作品なら、観せられるものは全て観せたいと思う制作陣の思いは良く判ります。 これだけの長さの作品を世に出せたのは熱狂的なファンが世界中に居るからこそ。 ファンに恵まれた幸せな作品だと思います。 私個人的には通常版も物語の構成含めて特に違和感は感じず、映画館で3作目のエンドロールを観ながら号泣した人間です。 なので、一連の長時間版は全く別の作品だと位置づけて評価しました。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2024-01-25 13:50:34) |
【pillows】さん [DVD(吹替)] 10点(2014-03-29 14:35:15) |
29.三作通常版、三作エクステンデッドエディションを観ましたが、これだけ時間かけて10点つけないとなんだか自分を納得させられません。というのは冗談半分ですが、最高峰のファンタジー(ハリーポッターシリーズとは段違いでしょう)ですので妥当ですね。エクステンデッドはどこが通常版でカットされたのかが分かり、興味深いです。さらにドラマ要素が高まります。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-02-19 23:10:37) |
28.長い長い旅の果て、極限まで憔悴した主人公たちの意識が乗り移ったかのように、観ているこちら側も確実に疲弊していることに気付く。 もちろん映画が長過ぎて疲れたということではない。これほどまでに深遠な物語を、これほどまでに完璧に映し出した映画世界を体感して、“疲れ”を感じないわけがない。 そう断言出来るくらい、この映画の完成度は物凄く、あらゆる否定を寄せ付けない絶対的な存在感を誇っている。 劇場公開以来2度目の鑑賞。劇場公開版でも充分にこの作品の凄さは感じていたけれど、今回初めて“スペシャル・エクステンデッド・エディション”を観て、映像構成から人間描写までこの映画世界のあらゆる緻密に裏打ちされた奥行きの広大さに驚嘆した。 主人公はもとより、彼を支える仲間たちの一人一人、そこに集う人物の一人一人、そして対峙する“悪”の存在の一人一人に至るまできめ細かい描写がきちんとされ、その一つ一つのドラマ性がこの深遠な物語を象っている。 そういうことを映画という表現の中で、余すことなく創造しきったピーター・ジャクソン監督をはじめとする製作陣には、ただただ敬服するしかない。 一つの指輪をめぐる冒険の果ての、世界の平穏と、主人公の喪失感。 ファンタジーに関わらず、世界中の数多のストーリーが、この"行きて帰りし物語”をベースにしているのだろうが、この映画の絶対的な存在感は、この先時を経ても決して揺るぐことはないだろう。 ただし、個人的にはこの物語に唯一対抗し得る作品があると思う。 「風の谷のナウシカ」の原作漫画である。 もちろんこれも、宮崎駿がJ・R・R・トールキンの「指輪物語」に影響を受けていることは明らかだ。今回、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを見直してみて、「風の谷のナウシカ」が類似する要素が数多いことに気付いた。 「風の谷のナウシカ」の原作漫画の大ファンにとっては、その実写映画化は禁断の夢だ。 ただもし、その禁断が破られるのならば、それを託せるのはピーター・ジャクソンをおいて他にいない。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-02-14 16:56:55) |
27.堂々たる完結。最終作にこんなの作られたら当然満点でしょう。すべてのスタッフ、キャストの血と汗が映画に宿り尋常ではないパワーを感じさせます。今後どれだけ時間が経とうが廃れない偉大な作品。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-12-07 02:41:44) |
26.《ネタバレ》 CGによる特撮効果の長所・美点が遺憾なく発揮されたファンタジーの最高峰。 単純な戦記ものに留まらず、独自の世界観が具現され、複雑な人間ドラマ・心理ドラマを基底に展開し、人間の本質に迫る重厚で深みのある作品となっている。これを越える作品は当分現れないだろう。あえて穿った見方をしてみる。 ◆最大の疑問は、闇の冥王サウロンと指輪の関係。「指輪が破壊されるとサウロンも滅びる」のはどうしてか?あっけなさすぎるではないか。且つ、王国の城と土地まで崩壊、地下に埋没してしまうという理由が説明されていない。指輪にはサウロンの魂(生命力)が宿っているが、サウロンの魂は指輪なしでも復活したはず。両者が同時に滅びるほどの強い絆を持つ運命共同体であるならば、サウロンは指輪のありかを常に知り得るはずだ。誰かが指輪をしたときだけ知り得るとしても、ゴラムもバギンズも何度か指輪をはめたはずである。どうして存在と場所を知られずにすんだのか。指輪の方ではサウロンに近づくと重くなることから、確実にサウロンの居場所を把握しているのに。また指輪が滅びの火口に近づいているのを知りながら、どうして防御を固めないのか。危機管理がなっていない。 ◆ゴラムは、指輪をホビットのバギンズに盗まれたとどうして知ったのか?知りながら、どうして60年間もほうっておいたのか。 ◆魔法使いガンドルフが大鷲(鷲の王)を使えるのならば、最初から指輪運びに利用すればよいものを。運び人は欲望の少ないホビットでないと務まらないので、彼を大鷲に乗せて火口近くまで運べば、ことは速やかに進んだと思われる。もし発見されたとしても戦闘能力は龍よりも上なので、安心はできる。少なくとも道に不案内なホビットが徒歩でいくより確実な方法だろう。 ◆悪の賢者サルマンは、戦闘要員として、何万ものウルク=ハイ(新種のオーク)を土中から製造する。進退極まったアラゴルンが援助を求めたのが「死者の軍団」。これらは「限りある生命」を超越した存在なので、彼らが活躍しようが、戦死しようが感情移入しにくい。「限りある生命」の大切さを教える物語であってほしい。 ◆サルマンは、手下に塔から突き落とされて串刺し死するが、あっけなさすぎである。 ◆樹木の精「エント」の造形がかっこよくない。ここだけ、まるで安っぽい漫画だ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-11-11 15:39:27) |
25.《ネタバレ》 そびえ立つミナス・ティリスの圧倒的な勇姿と、ローハンに援護を要請するのろしが順に点火していく場面。既に一枚の「名画」だよ。ピーター・ジャクソンはこのシーンを撮りたいがために映画化したんじゃないかと思える程の息をのむばかりの素晴らしさ。完璧です。 最後のホビット庄はやたらと癒された。 【りゅうちゃくん】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-02-21 19:52:02) |
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24.原作未読、劇場版を観て好きになり、友人に「好きならEXTを観るのは義務」と言われてまして…念願のEXT三部をやっと鑑賞。文句なしです!(^O^) それぞれのキャラクターがみんな良くて…一番嫌いなのが主人公か?戦闘シーンも素晴らしい!まさに「時の経つのを忘れられる映画」だと思います。が、一度見始めると実は最低4時間拘束されるのが欠点だったりして。いずれにしろグッジョブ!SF、ファンタジー、スペオペ好きなら必見ですね!(*^-^)b 【鉄仮面】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-12-10 10:13:28) |
23.通常版を見てから何年も経ってから観たんですが、多くのシーンが追加されてるのがわかります。4時間もあるのに長さを感じさせない稀有な作品ですね!今観ても圧倒的な迫力の映像、壮大な物語は10年後、いや20年後に観てもやっぱり凄いなって思えると思います。 【Typhon】さん [DVD(吹替)] 10点(2010-09-25 04:05:21) |
22.《ネタバレ》 初めて10点をつけます。それだけの価値がこの三部作にはあると思っています。原作ファンとしては、指輪物語が"まともな"映画として見られるなんて、それこそ夢のよう(バクシ版は無かったことにしてほしい)。そこかしこに見られる文字やセリフへのこだわり。中つ国の再現。随所で原作を忠実に再現しようとしているPJ監督はじめ関係者の心意気が伝わってきました。忠実といっても原作は原作、映画は映画なので、ストーリーや役柄の改編はあるのですが、底辺に流れる思想、世界観は原作のエッセンスを見事に表現しています。原作は3部作といっても、それは壮大な指輪世界のほんの一部。もっとその背景にある中つ国の歴史を知らないと、本当に理解することはできません。映画も同様に、映画だけで解釈するのはそうとう難しいものだと思います。それでは映画失格という意見もあるでしょうけれど、原作自体がそうなのです。原作、追補版、「シルマリルの物語」、「ホビット」とともに中つ国の伝承のひとつととらえれば、それはそれでありではないかと思うのです。それはともかくこの映画、何に感動したというと、3部作がサムのセリフで締めくくられたことです。原作ファンなら分かるでしょう。最後はあのセリフでなくてはならない。アラゴルンが戴冠して終わり、ハッピーエンド、めでたしめでたしではいけないのです。戦争映画じゃないんだから。それをPJはよく分かっている。映画のために戦闘シーンやアクションシーンを多めにしたけれど、本当に見るべきところはそこではないと。その、サムが子供を抱いて「帰ってきたよ」と言う、それまでの出来事がすべてこの一言に収斂するシーンで、一気に感動が押し寄せました。最後にこの映画、指輪ファンなら吹き替えで見てください。瀬田訳指輪に浸ることができます。 【EOS】さん [DVD(吹替)] 10点(2010-08-09 16:19:54) |
21.劇場版観てアレ?と思ってた部分が追加シーンで補完されて、筋が通って満足できました(長いけど)。21世紀最初の10年で、映画界の最大の収穫はこのシリーズが作られたことだろうと思いました。それにしてもアラゴルンはカッコいいですねえ! 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 10点(2010-04-09 22:57:13) |
20.時間の経つのを忘れるぐらい・・・引き込まれました。 【SODOMOJO】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-07-05 15:00:50) |
19.《ネタバレ》 大きく揺れ動くものに接する人間の体の揺れが不自然ということ以外、何も不満がありません。戦闘シーンも人間描写も素晴しい。赤い炎の目のサーチライトはどんな怪物より不気味で、支配しようとするものの恐怖を巧く表現していると思います。プロジェクターで観てますが、劇場の大画面でこの作品を体験しなかったことを悔います。フロド役のイライジャ・ウッドはホビット役にはピッタリと思ったくらいで、これまで特別な印象もなかったのですが、本作のクライマックスの表情(目)の演技は大拍手を贈ります! 十分に余韻を味わえるエンディングも最高です。あのラストの何げない日常のささやかな幸福がいかに大切か、戻って来た緑に満ちた美しい映像が雄弁です。これを守るために長い旅があったことに思いふけります。ゴラムの意地悪い企みにも健気にがんばったサムに当然与えられるべきご褒美ですね。フロドも海を渡って新しい1ページを紡ぐのでしょう。久々に清々しい気持ちで満腹になれた作品です。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 10点(2008-12-27 02:45:57) |
18.《ネタバレ》 通常版より先にスペシャルエクステンデッドエディションを観る事が出来てよかった。フロドはやはり去ってしまうのですね。全てを終えて仲間と共に故郷へ帰ってきても、もうあの頃の自分には戻れなかったという悲しさが何とも言えない。後に残されたサムワイズが幸せな家庭を築いていた事が救いでした。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-08 21:55:20) |
17.《ネタバレ》 3部作を1つの作品として、ここでのみレビュー致します。 現代におけるファンタジー文学の古典、聖典と聞いていながら原作は未読。この映画で初めて全容を知りました。なるほど、よほど原作がよく出来ているのだろうと想像、さらに上手く映画にしたのでしょうね。過去には多くの才人達が構想し、壮大過ぎて映像化を断念したと聞きます。現在それをここに観られた喜びを込め。 【masacoco】さん [DVD(吹替)] 10点(2008-09-27 10:03:29) |
16.《ネタバレ》 劇場版での消化不良部分が解消され、第一部の同エディションと同じくスムーズな話の流れができており完成度の高い作品に仕上がっていると感じました。(第二部同エディションの追加エピソードはちょっと蛇足気味かなーと感じております・・・。) 特にアラゴルンがパランティアを覗く場面は原作とはニュアンスが違うながらもラストの黒門前の戦いでアラゴルンが誘惑を振り切ると言う場面へつながる重要なファクターともなっており、劇場版でも必要だったんじゃないかなーと思うくらい外せないエピソードとなっております。 また4時間10分と言う時間の長さを感じさせない物語構成が素晴らしく、原作ファンの私も納得の作品です。 【わたた】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-07-20 02:45:00) |
15.前に銀座の映画館で特別上映してたので見ました!お昼前に入って終わったの五時過ぎだったような。映画を見た後にはもう目がちかちかしてました。でも、ちかちかした甲斐があった!カットされた部分はどれも、見るとより登場人物に感情移入してしまってよかったです。(このシリーズの良いところは、登場人物一人一人が丁寧に描かれててそれぞれに見せ場があるところだと思います。だからいろんな楽しみ方が!)特にエオウィンのシーンが増えてたのが好印象です。一作目、二作目と見て最後を締めくくるのにふさわしい、”壮大な”という言葉がぴったりな映画でした。本当に、旅の終わりです。エンディングを見てそんな気がしました。 【CEDF】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-02-03 18:26:08) |