24.《ネタバレ》 「神々は細部に宿る」というのが三谷幸喜氏の好きな言葉です。本作は、まさに12人の陪審員すべてのキャラに息吹が宿る素晴らしい作品となっています。本家『十二人の怒れる男』にオマージュを捧げながら、日本人の国民気質、美徳といったものをコメディの俎上に乗せた脚本を中原俊が見事に料理。端から話し合いに参加しない陪審員11号(豊川悦司)、鼻血を出し椅子で横になる陪審員10号(林美智子)、ふてくされて背を向けたままの陪審員7号(梶原善)、討論をよそにパフェを食べる陪審員3号(上田耕一)を画面の片隅にとらえるなど、12人を描くカメラの人物構図が巧みで、それぞれのキャラがとても愛しく感じられます。見た目で被告を判断することの是非が、頼りなさげなおとっつぁんお母さん、客観的正義感を主張する者などを見た目で判断する我々に迫ってくるという構成もよくできています。陪審員が三々五々引き上げていくラストの長回し、その時、相島一之にハンカチを渡す林美智子、村松克己から本当は歯科医だと告げられた時の中村まり子の表情、などなど三々五々がとても意味ある三々五々でした。ということで3×5=15点をあげたいくらい、私には大好きな作品なのです。 【彦馬】さん 10点(2004-06-02 13:27:44) (良:3票) |
23.《ネタバレ》 すごい!!後半部分は鳥肌が立っちゃいました!キャラクター一人一人にしっかり役割を持たせたりオリジナルをうまく進化させていました。さらに相島さんがヘンリーフォンダで歯医者のおじさんと一緒にみんなを説得していくのかと思えば最後には主人公(?)が入れ替わったりしていたり、11人が無罪だったのを有罪にひっくり返して、そしてさらにまた無罪にひっくり返すとかオリジナルを見た人でもまた楽しめるようにどんでん返しがあってすばらしいです。逆にこちらを先に見た方はオリジナルを見ると物足りなく感じるのではないでしょうか?前半部分で特に見られるあからさまに幼稚なやりとりは日本人らしさというよりも、民間人があのような場に参加することで全体の質が下がるという三谷氏の陪審員制度に対する疑問みたいなものを端的に表した点なのではないのかと思いました。 【666】さん 10点(2004-07-11 13:37:44) (良:1票) |
22.大好きな映画。 12人が議論するが、誰が主人公なのだろう。 わかった! そうか、あの人だったんだ(ヒントはリンチの『TP』)。 【激辛カレーライス】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-09-27 14:41:29) |
21.《ネタバレ》 久しぶりにいい作品を見た。本作は有名な(しかし自分はあまり評価していない)「十二人の怒れる男」のパロディであり、また自分のあまり得意ではないコメディ調ということもありやや不安視しながら見たが、そうした不安は杞憂に終わり、日本人というか人間をよく描き出している作品だと思った。 ■「怒れる男」が「一人除き全員有罪」から出発するのに対し、こちらは「一人除き全員無罪」からの出発。しかも理由が「被告人が美人だから」「可哀想だから」という議論をする以前の状況。しかしそうした心情も一方では理解できるものでもあり、なかなか興味深い。 ■また、「怒れる男」がフォンダによって有罪を一人一人無罪に切り崩していくという展開で、変化も「有罪→無罪」の一方向なのに対し、本作は有罪と無罪を一人の人の間で行ったり来たりして、「人間の考えは簡単に変わる」ということがよりよく表れている。 「怒れる男」がそのため基本的に「フォンダ=ヒーロー=正義」的な位置付けであったのに対し、本作は軸となって仕切る人物が次々と交代していき、展開も目まぐるしく変わって、より現実的である。今まで全然筋の通った意見を言えていなかった人が核心を突く指摘をしたり、今まで理路整然と話していた人が少し不利になるといきなり感情的になったりと、「議論で制圧する」よりも「一人一人の話を真摯に聞く」ことの重要性を訴えているように思う。 ■結果的に見れば、無罪から始まって無罪に戻っているわけだが、議論の過程によってさまざまな「見落とし」や「偏見」が明らかになり、そして論拠を明確にしてきちんと納得する形で結論に至ったという点で、「結果が同じだからいい」のではなくて「その結果を支える論拠は何なのか」という部分の大切さをも、この映画は伝えているように思う。 ■一つ難を言えば、しかし最終盤は基本的に弁護士「役」によって突き崩して決していく展開で、あれを一人の人によってではなく色々な人の「気づき」の積み上げでいければなおよかったように思う。特に最後の「あなたの奥さんが裁かれているのではない」というセリフは、弁護士役によってではなく他の、最も目立っていなかった人によって言われるとより効果的であったように思う。 ■とはいえ、十分に見ごたえのある作品であった。 【θ】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-02-24 23:52:52) |
20.《ネタバレ》 面白い。十二人十二色の陪審員、二転三転する議論。その面白さはもちろん偉大なオリジナル「十二人の怒れる男」あってこそだけど、それにプラスして日本人の特徴が良いスパイスになっていた。多少の誇張はあるし、俳優陣の演技も舞台用の演技に近いものだが、「こんな人いるよな~」っていう親近感が本家よりも湧いたのは自分が日本人だからか。評決が出て、廊下に出てきた陪審員に見られた充実感のようなもの…(落ち込んでる人もいたけど)。その充実感を観ているこちらも少しおすそ分けしてもらった。いい映画を観たな~。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2012-12-30 12:12:10) |
19.《ネタバレ》 事件の再現シーンが挟まれていたんじゃないかと記憶していましたが、なかったんですね。それだけ練り込まれた脚本・演出だったんだと思います。初老の陪審員の違和感に豊川悦司が肩入れし始めての巻き返しがすごい映画だとも思っていましたが、それだけじゃない。陪審員の審理としては無駄な発言が多いのですが、映画のシナリオとしては無駄が一切ない。素晴らしい。あらためて満点です。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2012-12-30 10:17:15) |
18.《ネタバレ》 面白かったです。できれば舞台で見たかった作品。右へ倣え、総論賛成各論反対。そんな日本人気質を面白おかしく描く手腕はさすがです。 「落ち着くんだよ!ダヨ~ンのおじさん書くと!!」いいねぇ。 【MILA】さん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2012-10-01 14:48:27) |
17.十二人の怒れる男より僕は好きです。 ラストシーンは最高ですね!! 【norainu】さん [地上波(邦画)] 10点(2007-08-31 00:54:43) |
16.本家を知っていれば、展開やキャラクター性、着地の仕方が同じであることに憤る(パロディと呼べる程の脚色が見当たらない)。 創作の姿勢としては0点を差し上げるが、その情報を無視して純粋に中身を評価するなら、やっぱり満点。しかし三谷幸喜は、これを自分の作品だと公言するのを恥ずかしいと思わないのかな(最近も舞台で再演したし・・・)。 【カラバ侯爵】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-06-17 06:11:06) |
15.洋画版と並ぶくらい良かった。結構邦画だとつまらなくなってしまう場合があるが、これは良かった。 【スマイル】さん 10点(2004-07-06 21:08:49) |
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14.とにかく面白いの一言。陪審員全員のいい加減さ、人の言葉に左右されて自分の意見をころころ変えてしまうのなんて日本人の象徴みたいな…。挙句の果てには自分自身の状況を感情移入させちゃって、何をやっているんだ君達は?…トホホ…みたいな。思わず「私も仲間に入れて!」といいたくなるようなお話でした。終わり方も良かった。のほほんとしたピアノの旋律も良かった。最後にトヨエツが老男に握手を求める場面、トヨエツの手がもの凄くキレイだった。 |
13.自分が、邦画の中で最も好きな作品。元となった「怒れる男」の数十倍は面白い。三谷の脚本と、中原の演出が見事にいいバランス。その後の三谷の映画を見て思うのは、三谷は監督には向いてないということ。こういうすぐれた監督にまかせたほうがよい。 【コウモリ】さん 10点(2004-02-20 13:22:42) |
12.まさかこうなるとは…三谷さんが脚本とは知らなかったけど、さすが!マジでスゴイ。途中日本人らしいやり取りにイラつく時もありましたが、そんな物を打ち消す展開。ただ三谷幸喜の才能に酔いしれます。 【マキーナ】さん 10点(2004-02-07 23:13:08) |
11.脚本がしっかりしていれば制作費もロケ地も必要無いと言う事が証明された名作中の名作。個人的には邦画ナンバー1の出来かな。オリジナル「十二人の怒れる男」を上回っていると思う。オリジナルよりもこっちを先に見たせいからかもね(^^) 【ワトソン君】さん 10点(2003-12-29 00:57:28) |
10.寝床でなかなか寝付けなかった数日前の或る夜。 いつもはラジオ番組のPodcastを聞きながら眠りに就くのだけれど、適当なものが見つからず困った。 何かしら誰かと誰かが話し合う声を聞きながらだと眠りやすい性質なので、何か無いかと考え、ふと某動画配信サービスで「12人の優しい日本人」を探した。 本編はもう何度も観ているので内容は熟知しており、イヤフォンで台詞回しだけ聞いて心地いい映画は他に思いつかない。目論見通り20分ほどで眠りに落ちることが出来た。 ただ、やはり再び全編を観返したくなったので、翌日再々々々々…鑑賞に至った。 「面白い」なんてことはもはや言うまでもないことで、三谷幸喜脚本の映画作品の中では、今なお最高傑作だと思う。 気がつけばもう20年以上前の作品なので、出演している役者たちがそれぞれ「若い」ことも感慨深く思える。 塩見三省、相島一之、上田耕一ら今や映画・ドラマに欠かせない名バイプレイヤーたちの演技が何度観ても良い。 タイミング的に、出演している俳優たちの殆どが、この映画で初めて存在を知った人たちなので、その後の数多くの作品に出演している様を見つける度に、「あ、この人は『12人の優しい日本人』に出ていた人だ」と今なお思うことが多い。 中でも、陪審員8号(主婦)を演じた山下容莉枝などは、その後に観た出演ドラマなどの多くでは、薄幸でやや性格の悪い役柄を演じていて、その度に「こりゃやってないな!」の台詞を思い出しながら、「あの時はあんなに陽気だったのに……」と錯綜してしまう。 とまあすっかりと、自分の映画ライフそのものに染み込んでいる映画と言える。 これからも何度も見返すだろうし、しばらくは引き続きこの映画の「台詞」を聞きながら眠りに就く日々が続きそうだ。 「ジンジャエール!」とか聞こえてくると、ついつい画面を観ちゃうのだけれど……。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 10点(2003-10-25 14:09:36) |
9.三谷幸喜の真骨頂。この作品でサンシャインボーイズを知り、この作品で改めて三谷幸喜脚本の当たり外れの大きさを知りました。他の脚本が翳って見える、それくらいあまりにこの脚本はすばらしすぎる。 【ろっかく】さん 10点(2003-07-08 08:24:24) |
8.トヨエツが大好きだった頃、真夜中にテレビでやってたのを観ました。トヨエツどこ?っていうくらい芸達者揃いで、ストーリーもひねりが効いていてほんと面白かったです。これってパロディなんですか?全然知らなかった。元ネタを後から観るっていうのもアリですよね。三谷作品は映画もドラマもほぼ五分五分位ではまってしまうのが不思議。関係無いけど妻(小林聡美)の書く文章も好きです。 【Rei】さん 10点(2003-05-31 21:01:47) |
7.密室コメディ。まさに三谷幸喜の真骨頂というところだ。名作をここまで上質なコメディへとパロディ化するのもなかなか出来ることじゃない。12人のひとつひとつの言動に終始笑いっぱなしである。それと同時にストーリーは緻密に計算されていて、見事としか言いようがない。 【スマイル・ペコ】さん 10点(2003-05-28 00:56:32) |
【じょん】さん 10点(2003-04-07 10:23:03) |
【ハンチング】さん 10点(2003-04-04 18:07:58) |