バリー・リンドンのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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バリー・リンドン

[バリーリンドン]
Barry Lyndon
1975年上映時間:186分
平均点:7.26 / 10(Review 111人) (点数分布表示)
公開開始日(1976-07-03)
ドラマ戦争もの歴史ものロマンス小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2017-08-29)【S&S】さん
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監督スタンリー・キューブリック
キャストライアン・オニール(男優)レドモンド・バリー
マリサ・ベレンソン(女優)レディ・リンドン
パトリック・マギー(男優)シュヴァリエ・ド・バリバリ
ハーディ・クリューガー(男優)ポッツドルフ隊長
スティーヴン・バーコフ(男優)ラッド卿
アンドレ・モレル(男優)ウェンドーヴァー卿
ゲイ・ハミルトン〔女優・1943年生〕(女優)ノラ・ブレイディ
マリー・キーン(女優)バリーの母
マーレイ・メルヴィン(男優)ラント神父
ゴッドフリー・クイグリー(男優)グローガン大尉
レナード・ロシター(男優)クィン大尉
フィリップ・ストーン(男優)執事グレアム
レオン・ヴィタリ(男優)ブリンドン子爵
ジェフリー・チャター(男優)ブロートン医師
アンソニー・シャープ(男優)ハラム卿
バーナード・ヘプトン(男優)
ヴィヴィアン・キューブリック(女優)(ノンクレジット)
マイケル・ホーダーンナレーター
原作ウィリアム・メイクピース・サッカレー
脚本スタンリー・キューブリック
音楽レナード・ローゼンマン(編曲)
作曲ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル組曲第11番 ニ短調より「サラバンド」
フランツ・シューベルトピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 第2楽章
撮影ジョン・オルコット
製作スタンリー・キューブリック
製作総指揮ヤン・ハーラン
美術ケン・アダム(プロダクション・デザイン)
ロイ・ウォーカー(アート・ディレクター)
ヴァーノン・ディクソン(セット装飾)
衣装ミレーナ・カノネロ
ウルラ=ブリット・ショダールント
編集トニー・ローソン〔編集〕
あらすじ
18世紀。純朴な青年バリーは故郷を追われ、様々な冒険をする。戦争、脱走、スパイ、詐欺師…。そして美貌のリンドン夫人を誘惑した彼は遂に上流階級に登りつめる。しかしバリーには次々に不幸が襲い掛かり…。冷めたナレーション、「下手な」主役俳優の起用、ズームバックの多用、皮肉で支配的な音楽の使い方。キューブリックはありとあらゆる手段を使って、我々が主人公に感情移入することを拒否する。そうしないとあのエピローグの言葉を我々に伝えられないからだ。あの言葉こそ、バリーの、そして我々の人生の真実だとは思わないか?
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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9.《ネタバレ》 よく映画の宣伝で「感動のあまり席を立てませんでした」ってのがあるが、そうそうあるもんじゃない。私の人生では2回だけ。キートンの二本立て(『セブンチャンス』と『蒸気船』)観たとき「もっかいもっかい」と半日映画館から出られなくなったのと、あとこれ。こっちは幸い最終上映で観てたので、掃除のおばさんに追い出されたが、そうでなかったらこっちも映画館から出られなくなったに違いない。人の世の愚かしさとそれゆえの厳粛さを描いて完璧だと思った。一つ一つの画も完璧と言わざるを得ず、観終わった途端にもう一度ひたりたくなった。監督は「ナポレオン」を撮りたかったそうだが、成り上がって没落していく物語としてはもうこれが完成しているのだから、気合いが抜けてしまったのだろう。いちいちの感動シーンについて記すのは面倒なので省く。第三者の眼で語られ、視点は誰にも加担せず、誰も結論めいたことを言わない(ただ文章が出るだけ)。しかしここには地球上に一時期存在した人類という種族の典型が精密に記録された、しかもその愚かな人類はなんと美しい世界を織り成してきたことだろうか。この作品では美が愚かさと必死で拮抗している。母親や家庭教師など、脇役の顔の選択も見事だ。そして音楽。バリーの運命が大きく変わるときに流れ込んでくるヘンデル、それと対になるようなレディ・リンドンのテーマとしてのシューベルト、どちらも的確。完璧という言葉は軽々に使いたくないが、この映画の美にかけた執念には、その言葉を使って褒め称えるより仕方あるまい。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 10点(2011-06-23 10:04:39)(良:2票)
8.《ネタバレ》 冒頭から美しい映像に圧倒される。ロウソクの火のみでも撮影可能な特殊レンズを用い自然光を最大限に活かした18世紀ヨーロッパの情景が本当に素晴らしい。ひとりの男が祖国を離れ、そして帰ってゆく物語の中で、人間が作り出したものの崩壊をただの背景として盛り込む。第一部では戦争(人間が起こす戦争と人間がつくる軍の規律)の弊害を、第二部では上流階級(人間のがつくる階級制度や国家間の規則)の退廃を淡々と描く。一部二部を通して決闘が登場しますが、ルールはあっても国が変わればルールも変わって、当たり前のように存在する人間のつくりだしたものがいかに危ういものかを象徴しているように感じる。この作品がある意味キューブリック的でないところは、相変わらず突き放したようにこれらを描く一方で主人公の人生そのものは感情豊に描いている点。ひとりの男にとっては時代の大きな流れ以上の大事件はもっと身近なもの。愛する人との別れであったり愛する者の死であったり。中でも息子の死はただただ悲しく描く。我々もこの不幸に大いに悲しむほかない。キューブリックの作品でここまで人間ドラマを前面に出した作品は他に無いのでは。それでも最後は「美しい者も醜い者も今は同じすべてあの世」というテロップでこれまで観てきたドラマをあざ笑うかのように閉めるのは、いかにもキューブリックであり、さすがキューブリックである。
R&Aさん 10点(2004-07-29 12:31:04)(良:1票)
7.《ネタバレ》 全部が絵画っすよこれ。一番最後の言葉、美しい者も醜い者も今は同じ全てあの世ってのがすごく力のある言葉だった。
あろえりーなさん 10点(2001-09-02 17:36:48)(良:1票)
6.減点要素がやはり見当たらなかった。すばらしい作品にめぐりあえて幸せです。3時間強ですがおすすめします。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-01-25 11:02:12)
5.映像の美しさへの執着心はやはりすごいと思いました。今の時代に撮影してもこれほど美しくは撮れないでしょう。
そして最後のセリフ。壮大な叙事詩とそれが一瞬にして自分の背景になる感覚。なんなんだ、一体。
Balrogさん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 20:44:43)
4.《ネタバレ》 「映画は総合芸術である」という言葉は、この作品のためにあると言っても過言ではない。壮観な風景を鮮やかな色彩で絵画の如く捉えたそのカメラ、18世紀のヨーロッパ風俗をリアルに再現したその美術、衣装、穏やかなナレーションと共に淡々と進行する物語を流麗に演出する厳粛なその音楽、どれもこれも皆一級の芸術品である。中でも、本作品の為に開発されたという高性能レンズにより、自然光のみで映し出された映像は言葉では表現できない程美しい。しかし、この“完璧な美”の中で描かれる主人公の生き方に共感できる者は少ないだろう。七年戦争という騒乱の時代を背景に、己の欲望に流されながら“運”を掴もうとして落ちていく男の哀れな様は決して同情できるものではないからだ。だが、故郷を捨てた男レドモンド・バリーが本当に追い求めていたものは、地位でも、名誉でも、まして金でも無く、ただの“安住の地”だったのではないだろうか。いや、そうであって欲しい。そうでなければあまりにも哀しすぎる。「美しき者も醜き者も今は同じ全てあの世」それでも、この世にいる限り、心は美しくありたい。
nizamさん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-04-23 12:29:24)
3.感想のためにいろいろと考えたり、書いたりしてみたのだけれど、そのつど「バリー・リンドン」が持つ、凡人が評するのもおこがましいくらいの完成度で打ちのめされてしまい、けっきょく何を書いても陳腐な文章になってしまう。だからもう、「バリー・リンドン」と聞かれたら「大傑作」と答えるしかない。もうね、映画の星からやって来た完璧(パーフェクト)超人だったんじゃないですかね、キューブリックは。超人パワー1億くらいの。
ウーフーさん 10点(2003-10-15 22:43:37)
2.自分の大好きな映画。完全に絵画に徹している(そこが自分にとってツボ)。そのためにキャラクターたちの人間性をとことん排している。だからと言ってストーリーがつまらないということは決してなく、客観的に捉えることでかえって主人公バリーの愚かしさや哀れさが見えてくるような気がする。キューブリック映画と言うと「時計じかけのオレンジ」がクローズアップされるけど、これも忘れて欲しくない。
うべばんぼーさん 10点(2002-01-06 23:47:25)
1.アイルランドにおいては元来裕福な家系であったレドモンド・バリーの栄華と凋落を絢爛豪華に描いたあまりにも美しい逸品。2001年宇宙の旅、時計仕掛けのオレンジと謎と暗喩に満ちた未来世界を過激に提示したキューブリックが18世紀貴族の世界をかくも丹念に描ききったその才能に改めて驚嘆する。上映時間は3時間強あるが、アイルランドの緑の草原に赤を基調とした英国軍隊の行進、貴族社会の豪華な衣装やセット(ドラえもんさんのいうとおりワンシーン毎がまさに絵画のごとし)とその裏に蠢くドロドロとした愛憎、バリーが人生の岐路に差し掛かったときに行われる1対1の決闘シーンなど見所満載で飽きることはない。それと、やはり本作でも音楽の使い方が素晴らしい。余談だが本作を見た黒澤明はそのあまりの完璧さに衝撃をうけキューブリック本人に賞賛の手紙を書いたという。
ダイさん 10点(2001-07-15 23:49:59)
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【点数情報】

Review人数 111人
平均点数 7.26点
000.00%
100.00%
221.80%
321.80%
454.50%
576.31%
61614.41%
72219.82%
83127.93%
91715.32%
1098.11%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.83点 Review6人
2 ストーリー評価 8.40点 Review10人
3 鑑賞後の後味 8.30点 Review10人
4 音楽評価 8.91点 Review12人
5 感泣評価 6.25点 Review8人
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【アカデミー賞 情報】

1975年 48回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 
撮影賞ジョン・オルコット受賞 
作曲賞(ドラマ)レナード・ローゼンマン受賞歌曲・編曲賞
美術賞ケン・アダム受賞 
美術賞ロイ・ウォーカー受賞 
美術賞ヴァーノン・ディクソン受賞 
衣装デザイン賞ミレーナ・カノネロ受賞 
衣装デザイン賞ウルラ=ブリット・ショダールント受賞 
脚色賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1975年 33回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
監督賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 

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