7.これは本当に素晴らしい映画です。脚本が最高に良い。本当に感動しました。様々な登場人物の各々の心情の変化を見事に描き切っています。ちょっとした出来事にイライラして他人を許せなくなったり、他人の気持ちを少し考えるだけで許せちゃったり。状況によって人間は悪人にも善人にもなり得る・・・これは大半の人に当てはまる真実だと思います。根っから悪人の人間が一部には居ると私は思っていますが。脚本の良い映画は例外なくやはり良い。映画の中の映画です。 【べいんびーる】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-08-09 00:42:02) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 救いと希望を感じました・・。修理屋の黒人の娘が射殺されそうになったときや黒人の妻が事故死しそうになったときは本当にもう駄目かと思って息がつまりそうになりました。なぜなら、ああいう場面では「差別は残酷なんだ」と伝えがたいために、彼らを不幸にして死なせてしまう映画が非常に多いからです。そしてそれがリアルなんだ、と製作者サイドはうそぶくわけです。だから黒人の娘が救われたときなどは、子供のように素直に嬉しかった。 差別というのは、ただ単にコミニケーション不足が偏見を生み、そして憎悪へと変化していくだけのことかもしれません。 とくに差別主義者の白人ライアン巡査がひどい差別をした黒人女性のことを、命をかけて救った場面にはあるメッセージが込められていたと考えます。 人を殺した人間には殺したかった理由があるはずですが、人を救った人間には救うための理由なんてありません・・・それは本能なのですね。 肌の色や国籍が違っていても、死にそうな人間を見かければ、とっさに人間は人間を救う・・よく人間の心の奥には誰もが差別を持っていると言われます。しかしもっと奥をのぞけば、同類である人間同士の共感が見えてきます。この映画の根本的なメッセージは差別問題ではないと思う。私には人間賛歌の物語にさえ感じました。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-08-13 18:01:07) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 良かった。元々群像劇は好きだけど、これは久々に見応えあり。どの人もハッピーとは言えずに色々な問題を抱えていて、このまま悲劇のオンパレードのラストになるのかと思いきや、決してそうではない。単純に「良い人」「悪い人」の区別がつかない点も人間の本質を描いていると思う。事故車からの救出シーン、少女が撃たれるシーンでは手に汗を握って心底「助かって!」と思ってしまった。かなりのめり込んで観てしまいました。 【よっさん】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-07-18 22:13:36) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 銃声が鳴り響いた瞬間、手を胸に当てて“神様この少女を助けて下さい”と祈ってしまった。天使がくれた“透明なマント”があって本当に良かった。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-29 00:46:23) (良:1票) |
3.人種問題等を扱い、テーマとして不快ものもあるのでしょうが、率直に脚本の妙に脱帽。群像劇というんでしょうか、いくつかのエピソードが少しずつからみながら、エンディングを迎えるスピ-ド感、リズム感にスクリーンに引き込まれました。最近、食傷気味だったハリウッド映画にまだまだこんな良質な作品があったとは。納得のアカデミー賞です。 【くらけん】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-04-15 23:31:09) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 何気ない事に苛立ち、その捌け口として関係の無い人に当たってしまう。この誰しもが持つ経験の先に何が起きているか考えた事があるだろうか。この映画では、己の苛立ちが他人の苛立ちを生み、その負の連鎖から起きる悲劇を描いている。『砂と霧の家』の傷付け合いたくない者同士の負の連鎖、『マグノリア』の皆がかかえる苛立ちと希望。例えるならこの二つの映画の要素を足したような内容。人間のダメな所、良い所、それを含めて人間なのだなと改めて思った次第。怒ったっていい。苛立ったっていい。傷付け合うけど、それでも人間としての尊厳を失ってはいけない。まさに生きる上で糧になる映画だと思う。「人間をなめるな!」by長渕 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-02-16 00:28:54) (良:1票) |
1.眠いし、物理のレポートやらなきゃだし、他の作品のレビューも溜まってるけど、この作品は観た直後に書いておきたい。ホント、コレ素晴らしい。アメリカで未だに根強く残っている人種差別という問題を軸に、一人一人の人生が絡み合うという作品。そして、ある人とある人の人生がクラッシュを起こし、更に玉突きでクラッシュを起こすというアンサンブル劇。実際僕がアメリカに留学していた頃、差別とまではいかなくとも、多少なりともアジア人であるという軽蔑を受けたことはあるので、その辺のことは理解しているつもりだ。各場所に上手く多くの人種を散らしてあるので、分かりやすく、大変考えさせられる。人種差別を軸にしながら、銃社会、介護問題、階級問題など、多くの問題を上手く拾っている。表現するのが難しいほど複雑な話なので、完全に理解するのは大変である。裏を返せば、話の繋がりを見つけるのが楽しい。本作の登場人物は、一人一人が心にどこか悲しみを持っており、誰もが愛らしいキャラクターとして描かれている。人間は皆、悲しみと喜びの間で生きている。どこまでも不器用だけれど、そんな人間が抱きしめたくなるほど好きだ。明日から人に優しく接したくなる、ほんのりあったかい作品。最高です。 【こばやん】さん [試写会(字幕)] 10点(2006-02-01 00:08:07) (良:1票) |