1.《ネタバレ》 本ストーリーはあくまで、ルパンの若かりし頃の冒険譚である小説「カリオストロ伯爵夫人(モーリス・ルブラン氏作)」をベースにしているので、主人公の魅力のすべてがこの映画で観られる訳ではありません。しかしながら同著者の「813」や「奇巌城」などの面白さを熟知しているファンにとっては、どちらかといえばマイナーな存在であった前記作品の内容が他のエピソードへのオマージュや下記(※印以降)の娯楽要素もプラスした実写の形でこれ以後新しく見直せるようになったという点に、今回の映像化の「価値」を見出すことができるのだと思います。ですので原作やその他の知識が無かったり、ルパン三世のようなコミカルさを期待するのみであったりすると、おそらくがっかりします。率直に言って未読の方は楽しめません(これは、まさかそのような方はいないと製作者側が考えていることですのであしからず)。ちなみにこちらのサイトの平均点は低いですね。※さて、肝心な本編についてですが、文字から浮かぶイメージがそのまま目の前に表れたようで、とても華々しくすばらしいと感じました(by既読者より)。展開がスピーディーで画像もビビッドです。ルパン役はアラン・ドロンが無理な現在、愛嬌があってカッコいいこの映画の人以外にいません。カリオストロ伯爵夫人もパーフェクトでした。クラリスも美人さんでカリオストロの城のアニメとは次元が違います。贋作、まんがはもう忘れましょう。ラスト、もっと続きを観たい、と期待させられるのは本の世界と同様…なるほど、他のエピソードがまた読みたくなるという仕組みです。