1.ルビッチなのにこんなに純愛で悲恋でいいのか~、と唸りたくなる作品。なんてったって原題が「Eternal Love」なんだから。効果音付サイレント映画で、鉄砲の音を利用した場面転換、ドアをノックする音による心理描写などを巧みに取り入れています。山男ジョン・バリモアが断崖でエーデルワイスを摘むシーンを崖下から撮り上げ、恋人の存在と親密度が分かるところなど、ルビッチは外に出ても大丈夫、ドアだけじゃないぞ。雄大なロケーション撮影と雪山のセット、「陽気な巴里っ子」でも見せた群舞シーン、湯気が立つ暖かな食事と冷めた食事の対比、仮面舞踏会の仮面を利用した見せない演出など見所はほんとに盛りだくさん。粗野なジョン・バリモアと清教徒的なカミルラ・ホルン、その恋路をあの手この手で妨害するそれぞれに想いを寄せる男女が登場するハンス・クレイリーの脚本もよく出来てますね~。男なるもの好きな女性には断崖のエーデルワイスを摘むぐらいでなきゃな~、ってやっぱり私は単純です。〔英語版DVD〕