1.《ネタバレ》 前作を見ての今作の鑑賞だが、個人的には今作のほうが好み。
前回は、軍隊は全員ゲスでヤなやつら(=敵)だったが、今回は軍の医療関係の女性やスナイパーの男性が、民間人サイドについているところが、作品に深みを与えている。
それに前回描かれていたのは見知らぬ若者同士の絆だけだったが
今回は、夫婦、親子、姉弟…という、だれもがグッとくる絆をまんべんなく描いているのも良い。
そしてスナイパーの軍人が自らの死とひきかえに、民間人たちを助ける・・・というシーンは、
思わず「あぁぁああああ・・・イイひとだったのにぃ・・・」と本気で思ってしまった。
ロバート・カーライルが、人を犠牲にしてでも(妻を置き去り逃走、友達が出そうとした船を乗っ取り、襲われた友達を見捨てて逃走)生き延びようとした姿と、なんと対照的なことか。
このコントラストも、素晴らしい。
あと、画面がブレブレしてたり、画像がザラザラしてたりするのは、ゾンビ系の物語というフィクションの映像を、よりリアルに見せるうえで、すごくいい使い方だ。
下手なひとがそれをやるとただの”見にくい映像”になるが、ダニーがプロデューサーとして口出ししてたのか、とてもうまく仕上がっている。
特にタミーが父親を撃ち殺した後の目元アップ。
血まみれ泥まみれ汗まみれで、メイク崩れまみれのぐちゃぐちゃの目元で涙をながしながら
眉間にしわを寄せて苦悩の表情をしていた、あのザラザラした質感の映像が眼の裏に焼きついている。