1.これはもう傑作です。脚本がいいんですねぇ、セリフがとっても面白い。ガチガチのソ連から来た美女が、フランスの貴族と恋に落ちるラブコメディ。前半の固くニコリともしないガルボが後半は恋に悩み笑い、と人間らしい感情を出している。価値観の全く違う国の男女だから会話してもかみ合わず、風変わりなことこの上ない。たとえば二人が初めて良いムードになる部屋での会話。僕をどう思う?って聞くと「悪くないわ、白目は澄んでいるし、角膜は申し分ない」って調子。およそムードはないし生真面目すぎる口調なんだけど、それがまたおかしくて大笑い。せりふがおしゃれでうまい、と思ったらビリー・ワイルダーを含めた3人で書いて、ルビッチが手直し。監督もワイルダーのお師匠さんのルビッチ。軽妙で後味もいい素晴らしい運びです。撮影は「裸の街」のW・ダニエルス。共演者も舞台俳優など達者な人達。すごく豪華なメンバーなんですねぇ。見るときはどうぞこの抱腹絶倒の会話を堪能してください。ガルボの意外なコメディエンヌぶりも見物です。私の一押しのラブコメ傑作「グッバイガール」が10点なので、これはそれ以上で文句なしの10点!