34.《ネタバレ》 ついに進退窮まった最後の局面において、主人公は「これは誰のせいでもない」と達観する。 それはすべてをやり尽くした上での諦めの境地のようにも見えるが、やはり、彼女がようやく辿り着いた“生きる”ということに対しての強い覚悟の表れだったと思える。 子を亡くし人生に打ちひしがれた主人公は、自分に与えられた仕事にひたすらに没頭し、その結果気がつくと「宇宙空間」に居たのだと思う。 それは彼女にとっては逃避に近い行動だったのだろう。 そこに訪れた文字通りに絶体絶命の危機。 無重力の怖さ、無音の怖さ、無酸素の怖さ、どこまでも広がる「無限」の怖さ、宇宙空間の虚無的なリアリティとそれに伴う絶対的な恐怖を描き抜いたこの映画は、一人の人間の弱さと脆さ、そして「生」に対しての神々しいまでの「執着」を導き出していく。 「宇宙」というものに少しでも興味を持った人ならば誰しも、あの「空間」に放り出されることを想像し、その恐怖に総毛立ったことがあるはず。 この映画の発端は、まさにその誰しもが覚えた恐怖感であり、紡ぎ出されるストーリーも極めてシンプルだと言える。 しかし、シンプルだからこそ、その徹底された無重力世界の描き込みの総てにおいて驚嘆せずにはいられなかった。 登場するキャラクターはほぼ2人きり。しかも映画の大部分は、サンドラ・ブロックによる“孤独感”のみで描かれる。 余計な人物描写や回想なんて完全に排して、今その瞬間の「現実」と、それにさらされた主人公の等身大の姿のみで描き切ったこの91分の映画の潔さが素晴らしい。 「結末」は誰しも容易に想像できる。 それでも、繰り広げられるスペクタクルの一つ一つに例外なく息を呑み、終始主人公と同様に息苦しさすら覚え続けた。 そして無重力下で球体化する彼女の涙を見て、こちらも涙がこぼれた。 果てに、彼女は地上に降り立ち、地球の地面に屈服する。 紛れもない重力に喜びを感じ思わず笑みを浮かべる。 赤土を握りしめ、彼女は再び立ち上がる。 映画全編に渡るあらゆる比喩は、彼女が「再誕」したことを如実に表現している。 凄い。本当に凄い映画だ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-14 15:16:04) (良:6票) |
33.《ネタバレ》 登場人物を極端に切り詰め、寓話性が鮮明に出ている作品ですが、寓話という“理屈”に留まることなく、我々を圧倒的体験へと放り込む、映像の力。寓話性というのは、宇宙でのサバイバルという物語を借りて描く、人間の生死そのものであって、不安定極まらぬ生の不安、迎えねばならぬ死の不安。孤独と不安の中で生きる事に意味はあるのか。「大人に成長する前に事故で命を失うこと」だってありうる。だったらそもそも生まれることに意味はあるのか。サンドラ・ブロックが宇宙ステーションという胎内に留まるのか否か、臍の緒のようなチューブ、胎児のように体を丸めた姿勢、それはもう、ジョージ・クルーニーのセリフと一緒になって、暗喩(メタファー)というよりは直喩に近く、生を肯定するラストで、彼女は宇宙服から「生れ出でて」自らの足で大地を踏みしめるのだけど。しかし我々が感動するのは(我々、と言っていいでしょう、今現在、平均点9.5点)、そういう“理屈”に対してでは無くって、この、異常なまでの執念をもって描かれる圧倒的な無重力描写にあるのは確かでしょう。上も下も無い不安、細いロープ以外に頼るものの無い不安。3D映像は、無限の奥行きを強調する。はたまた長い長いワンショット描写は、『トゥモロー・ワールド』以上の執念で、不安な時間感覚を醸しだし、大音響のBGMは、(素朴なカントリーミュージックとともに)むしろ恐ろしい静寂を感じさせます。不安、不安、ひたすら不安(ちなみにウチの小学生の娘は耐えきれなくなり、中盤で一度、「外で一息ついてくる」と席を外しました)。そんな不安の中、自分の死を目前にしたサンドラ・ブロックが、地球との通信を捉える。相手は中国語、全く意味が通じない、最後の会話。いやそれこそ、会話の相手は人間でなくったっていい、犬だっていい、意味は通じなくてもよい、主人公が最後に得た他者とのギリギリの接点なのだから。すべてが極限の世界、驚くべき映像世界、それでいて、寓意性を孕みつつ、サバイバル映画としてのドラマ性にも事欠かぬ(火災→消火器→移動手段)。いやはや、スゴい映画を作ったものです。もう充分かも知れませんが、さらに平均点を上げさせてもらいます(笑)。 【鱗歌】さん [映画館(吹替)] 10点(2013-12-15 09:07:22) (良:5票) |
32.評判が高かったので数年ぶりに嫁と二人で映画を観た。子供3人にはコナンを観せた。 3Dはこれが初体験だった。 ここの評判どおりすごかった。 映画館が宇宙空間になり、自分がサンドラブロックのそばで作業を見ているかのような 錯覚に陥るほどの映像技術に鳥肌がたちました。 これほど映画に没入できた映画は40数年生きてきて始めてでした。 最近、映画館にはもう行かなくていいなあという感じでした。 ホームシアターで十分じゃないかと。 そういう考えを覆してくれる映画でした。 これぞ21世紀の映画館で上映する映画だと。 映画館でしか堪能できない映画。 家で観る映画との歴然たる違いを示してくれる映画。 お金を払っても惜しくない映画。 映画館で観る映画はやっぱり違うなあと再認識させてくれる映画でした。 またこの映画はそういう映像技術だけでなく、ドラマも秀逸でした。 ジョージとサンドラの別れのシーン、サンドラをジョージが励ますシーン。 ただのパニック映画でなく、人生、生き方を考えさせるヒューマニズム的な面があった ところがこの映画の高評価につながっていると思う。 サンドラブロックの懸命に生還する姿が心をうちます。 ハラハラドキドキして、涙を誘う完璧な映画でした。 皆さんが言うとおりでした。この場を借りてお礼申し上げます。 地球に生まれてよかったーーーー(織田裕二調で)。 【キャメル】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-15 21:48:06) (良:3票)(笑:1票) |
31.《ネタバレ》 まず最初に配給会社にケチをつけます。ゼロ・グラビティじゃないだろ?あん?? そもそもクライマックスの肝はそこに浮かぶ地球が及ぼす重力落下と、そして最後にライアンが二本足立ち上がったときに「肉体の重さ」を感じるところにあるんだからさぁ!、カタカナ英語にするなら単純に「グラビティ」で良いだろうよ?ったくもう…。 と言うことで、なんとまぁゴージャスな映像、映像、そしてまた映像!。尺を90分に留めたことも映像美にくたびれる事無く、エンドロールまでゴージャスな映像は疾走しつづける。 Make Belief なのは判っている、でも90分間、映画館のシートに重力で縛り付けられた観客は、しかし肉体の重さを失い、浮遊感と落下感、そして遠近感を無くした世界に漂い続ける。ストーリーを語っても仕方ない、なんと言っても一直線でしか語れない「重力落下」の物語なのだから…。ライアンが宇宙空間からISSのエアロックにやっとたどり着いた安心感で「胎児の姿勢」を取るのも、母体の中に浮かぶ原初の包まれた記憶と、そして子宮内には重力が存在しないからなのか? まぁ何でもいい!兎に角この映画は映画館で見ること限定!それも前の方に陣取って思いっきり浮かんで、廻って、そして無機質空間を恐れてこそ…だ。 【crushersyu】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2013-11-05 17:31:07) (良:4票) |
30.パンフ購入しました。さて、まずは異論が1つ:なぜ勝手にゼロを邦題につけるのでしょうか。内容もさることながら、画の美しいこと!長まわしの画から、背景から、すべてがとにかく衝撃的です、IMAXで再度みたいと願っています。主演二人がまたよくってですね、かかわったかたがたに感謝したいくらいです。えっと、エド・ハリスはアポロ13でも指揮官でしたね、あと、バーバレラのオマージュもあったりと・・・細部もすばらしかったです。神舟が中国語表示しかしないのはおかしいですよね、これまたどうでもいいのですが。。他のかたがたのコメントもとても興味深いです。みなさんとこちらで感想を共有できてうれしいです。 【HRM36】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-17 16:24:34) (良:3票) |
29.《ネタバレ》 3Dの映画館で観ることに特化し、体感映画とゆう視点でも突き詰められた特殊な映画って聞いていたので、正直、家で観るには抵抗がありました。だって、家で観るってだけで、この映画本来の良さの半分は消えたも同然なんだから。多分、映画館の興奮は全く味わえないなんだろーなって感覚で観たんですけど、いやいや、すごく面白かったです。こんだけ家でも面白かったんだから、映画館なら、もっとすごいことになっていただろーなー。生涯、忘れられない映画みたいな感じくらいに。で、映画が始まって、あれよあれよとゆーうちに、すぐめちゃくちゃ危険な状態。そっからは、危機また危機で、もう、最後までこっちの体が緊張で固まったまま。心拍もずーっとドキドキ。音楽がまた効果的で、こっちのドキドキを煽るように、だんだんでかくなっていって、もうそれだけで、やべー感がドンドンあがっていく。そして無音。ザ、うちゅー。最初のカメラが外から人を撮って、ヌルッと宇宙服の中に入っていって、一気に宇宙飛行士目線になるのも新鮮。でも、この映画、そんだけじゃなかった。泣けたわ。まさか泣くとは思ってなかった。あかん。子供が死んでる背景は、あかん。ヒロインの心の中を想像してしまうと、泣かずにはおれん。そして、そこから先の重力化で生きるテーマ性みたいなもんに、なんだかわからん感動と興奮。宇宙へ行ったら、もう地球の全てが愛しい。カエルも、大地も。たとえ、そこに悲しみがあろうとも。ってな気分で、なんか生きるパワーみたいなもんもらっちゃったなー。ただ、映画館での興奮はそれ以上に相当なもんだったらしいので、正真正銘、映画館で観なきゃ、ちゃんと語れない映画だとは思う。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2016-08-25 02:45:30) (良:2票) |
28.わたくし、宇宙空間から、本日2度目の帰還を果たしました。どんなところが素晴らしいかは、もうたくさんの方が書いていらっしゃるし、私の文章力では表現しきれないので、未見の方に向けてメッセージを送ります。まずは朝一番の3D・IMAXにて鑑賞。あまりの衝撃にフラフラになりながら1度目の帰還。そして、息子たち(小4と中2)に何が何でも3D・IMAXの環境で見せなければならないという使命感が芽生えてしまい、学校から帰宅後、家族を引き連れ2度目の宇宙体験となった次第です。(小4の次男も、漫画「宇宙兄弟」でISSとか帰還船とか一応の素地があるので、若干不安を残しつつも鑑賞可能と判断。) テレビCMを見たとき、まず、「ああ、これはサンドラブロックが、ジャミラ(ウルトラマンに登場する、宇宙に取り残された元宇宙飛行士・・・という設定の怪獣)の運命をたどる映画なんだろうな・・・と勝手に想像。でも、これくらい何の予備知識も入れずに見る方が絶対お勧めです!!2回とも3D・IMAXだったので他と比べることはできませんが、本当にこの環境で見てよかったと思います。途中、次男の様子を伺うと、前のめりになり、なんだか身体を固くしてるので、もしやまさかの「トイレ行きたい」か?と警戒しましたが、次の瞬間ボロボロ泣いておりました。帰りの車中でも、ず~っと自分の言葉で「シネマレビュー」を語ってました。思春期の長男とも大層会話がはずみました。連れて行ってよかった!全国のお母さん、ぜひとも親子で鑑賞してくださ~い!! 【おおるいこるい】さん [映画館(字幕)] 10点(2014-01-21 01:33:14) (良:2票) |
27.《ネタバレ》 さすが無重力をタイトルにすえるだけあって、3Dによる宇宙遊泳のリアリティはハンパじゃない。「アポロ13」のファンとしては、細々な設定では「ん?」と首をひねりたくなることも多かったのだが、ありとあらゆる点を徹底的にリアリティに描く必要はない作品なのだと途中で気がついた。特にラスト。ポッドが海に落ちて飛行士が1人で這い出し、陸地にたどりつくなど考えられない。あのラストでこの作品は、臨死体験して命が生還する、輪廻の叙事詩のようなものだったのではと感じた。no_the_warさんの書かれているとおり、「出産」をイメージして描かれている作品だと考えれば、数々の事故でヒロインが感じる苦痛や苦悩は、陣痛に苦しむ胎児、ヒロインの呼吸は、出産時の産婦があえぐ呼吸と思えなくもない。映画「ガタカ」の或るレビュワーが、主人公自身を卵子に向かって泳ぐ精子ととらえていて、その鑑賞力に感動したことがあるが、この作品も同じようなニュアンスを感じる。 またこの作品は伏線も何点か張られていて、そのうちの1つ、火災が発生して消火器が登場するが、これを噴射素材として利用するアイデアにはびっくりした。まるで「ダイ・ハード」のノリ! それにしても「ザ・インターネット」といい、サンドラはよくよく消火器に助けられる女優さんだ(笑)。 【tony】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-18 23:48:02) (良:2票) |
26.《ネタバレ》 2013年今年の個人的映画ランキングに上位に入る映画。もちろん3Dで鑑賞。とんでもないリアリティの絶え間ない困難、物凄く濃い90分だった!!ここまで来ちゃったのと思わされる驚愕の映像は、映画館&3Dで観ないと意味がなし。アバターに次いで、また映画史が変わった作品。ほぼ2人しか出てこない映画で、こんなに興奮するとは!次から次へと展開が変わり、こちらも息苦しくなる程。そこで、ジョージ・クルーニーが画面上にいる事の安心感と言ったら!!これ、他の俳優さんだったらまた違ったのかも。サンドラ・ブロックの鍛えられた体は本当に美しく、露出が多い割にエロさなく、とにかく人間として美しかった。ただ、タイトルは原題通りの「グラビティ」で良かったのにと、邦題つけた人のセンスのなさに憤り・・。この映画のテーマは絶対に「GRAVITY」だ。ラストシーンのあのアングルと、力強く大地を踏みしめ歩き出す姿、そして再度現れるタイトル「GRAVITY 」。普段は感じない自分の周りの「GRAVITY」すら意識させられた。どうしてゼロを入れちゃったの…。素晴らしい映像に効果的な音楽、衝撃的な作品。90分と短い作品でテンポも良いのに、良い意味でとても長い長い時間に感じた。 【ネフェルタリ】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-16 18:02:03) (良:2票) |
25.これほどまでに衝撃を受けた映画はない。素晴らしいの一言。 |
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24.《ネタバレ》 IMAX3Dで鑑賞。IMAXシアターのある都市に住んでる事をありがたく思います。 この映画はビジュアルがとにかく凄いが、一番の功績は地上クルーの映像を一切見せなかった事ですね。 地上の動きが全く分からない。自分の声が聞こえているのか聞こえていないのかも。 自分で生還を目指すしかないが、次々と襲いかかる困難。宇宙を単独で漂流する恐怖感。 演出が素晴らしかった。脚本も問題なしです。 年末も押し迫って見たド本命作品です。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-14 13:32:40) (良:2票) |
23.《ネタバレ》 これは「宇宙空間でロケした映画だ!」と思わせるような驚異の映像でした。英語版で見たので、結構きわどいジョークなどもありましたが、コワルスキーの最後の潔さには、本当の男らしさを感じました。ライアンが娘も失い、宇宙空間に放り出され絶望的になった時に、 低酸素状態でみたコワルスキーの幻覚助言から、また生存を目指して奮闘する姿は、母親(女性)の強さを感じさせたのと同時に、小生をも奮い立たせました。最後に一歩一歩ずつ歩き始めた姿に滂沱の涙が溢れ出てしまいました。 【亜酒藍】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-14 12:24:52) (良:2票) |
22.《ネタバレ》 子宮とか胎児とか(へその緒付き)生命の誕生とか、せっかくそういう事を得意気に書いてやろうと思ったのに、既に町山さんがパンフで書かれていてガッカリだ(笑) なので違うアプローチ。 シリアスな物語であり、かつ短い上映時間の中に芸術性がきっちり折り込まれている映画なのですが(再生の物語をサンドラ姐さんが好演しております)、同時にアトラクション映画としても非常にポイントが高い作品になっています。 『宇宙戦争』でトライポッドの攻撃から車で逃げるシーンや『スター・ウォーズEP3』冒頭のコルサント上空の戦闘シーン、あるいは『クローバー・フィールド』の手持ちカメラが捉えた日常と非日常が完全に繋がったシーン、それらを更に超える映像的な高揚感がこの映画には溢れています。要は「それ一体どうなってるの?」ってすっごい長回しがあったりするわけで。 キュアロン監督の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でカメラが鏡の中の空間を出入りしたように、今作でもカメラは自在に動き回り、更に3Dと立体音響によってスクリーンと客席との隔たりを限りなく減らし観客を作品空間へと誘います。 91分間、座席にしがみついて目は画面に釘付け、それはもはや映画というカテゴリを超えてアトラクション感覚。実はお正月映画らしい見世物映画。 なので、なるべく大きなスクリーン、いい音響の劇場で見る事をお薦めします。いや、音響はいい悪いはともかく大ゲサなくらいウーファーぶいぶい言わせてるようなハコが好ましいです。そういう作りの映画なので。 「IMAXのいちばん前の席で見て正解!」(木場ですが。川崎のいちばん前はスクリーン近過ぎてお薦めできませぬ)みたいな、私のようなバカも大満足の逸品でございました。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-13 22:00:22) (良:2票) |
21.《ネタバレ》 IMAX3D字幕版で鑑賞。冒頭の長回しからなんじゃあこりゃあと大ショック。映像のみならず効果音や音楽、俳優の演技もきっちり。そんな中、個人的に衝撃的だったのはストーリーでした。まさかこんなに寓意に満ちた話に仕上げてあるとは思っておらず、感動。サンドラ・ブロックの胎児のポーズやジョージ・クルーニーによるサプライズの一つである奇想天外な帰還シーンの彼の言葉に象徴されるように、この映画、ベタやクサさを恐れない潔さが貫かれているところが良かったです。ラストのサンドラ・ブロックの一連の動きからのドーンと出てくるタイトル!参りました。9点に僕好みの映画だった事を考慮して10点とさせて頂きます。あとパンフレット掲載のインタビューのジョージ・クルーニーがまた男前。参りました。どこまで男前なんだこの人・・・ 【マッイヤ~ン】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-28 21:54:34) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 IMAX3D字幕版で鑑賞。正に最新の映像と音響スペースを堪能した。映画と同一空間、同一時間を体感できる、驚くべき体験だった。やはり字幕版で見るべき。僕らは主人公と同じようにジョージ・クルーニーの声に励まされ、生かされていると感じる。 彼は主人公が掴んだ命の綱を自ら手放す。確かに均衡した力学的作用からすれば、彼はカラビナを外す必要はなかったのかもしれない。しかし、彼は外した。彼女をひとり生かす為に。この映画は「生きる」ということが継承であり、究極的に個闘だということを主張しているように思える。 自らを犠牲にして彼女を生かす。時に彼女を優しく叱責し、力強く励ます彼の声は、可能性という名の希望。天の声であり、心の声である。外部からの声である。 生きる意味とは何? 彼は主人公に問いかける。そこまでして生きる意味、生に執着する価値とは? その問いこそがシンプル故に心に響いた。 人は、というか、生命とは、そもそも犠牲により成り立ち、綿々と受け継がれてきた。限りがあることにより伝承され、死に生まれる。壮大な宇宙空間だからこそ、そういった生命の成り立ちがくっきりと見えてくる。宇宙で生まれ、地球に受け継がれたものとして、生命は在る。 ちなみに地球での生活が破綻していたからこそ、彼は宇宙を漂う生の充実と終焉を選んだとも言える。海の底のグラン・ブルーと同じ。それって男のロマンだよね。そんなものが2010年代に生き続けていたとは。。。それも「宇宙」だからこそ? とても胸が痛くなった。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-26 08:38:53) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 未知なる映像体験をさせてもらった映画。しかし観て1番感じたのは俳優との重要性。最初宣伝を見た段階では映像重視っぽいし、先の展開を読めなくするためにも主演二人はハリウッドスターではなくやや知名度の低いくらいの俳優の方がいいのではないかと思っていたが間違いだった。サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの確かな演技力がこの作品の格を二段も三段も押し上げている。特にクルーニーは映画の大半が顔がよく見えない宇宙服姿でもスターの風格が漂っていた。死に瀕した状況でもジョークを飛ばしながら冷静沈着に行動するベテラン飛行士マット・コワルスキー。暗い過去を持ちながら、マットの最期の言葉通り生き抜こうとするライアン・ストーン博士。この二人が素晴らしいキャラクターだったからこそ、そんな彼らを取り巻く宇宙の恐怖がより伝わって来たし、最期の大地を踏みしめるシーンもあれだけ感動的になったと思う。 これは素晴らしい脚本とキャストと演出でできた紛れもない一級品の「映画」である。 【セラーズ】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-25 00:34:03) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 序盤のスペースデブリで吹き飛ばされたライアンが点になっていくシーンは宇宙の広さに対する恐怖を感じました。知ってはいるのに改めて宇宙ってでかいなあ…と認識させられたシーンと思います。 ツッコミ所が多々あったとしても、この映画が与えてくれる宇宙の体験は素晴らしいものでした。映画館で3Dで見るべき映画です。 たとえ映画館が嫌いだったとしても、映画が始まった後に入場する人が前を横切る行為が嫌いだとしても、ポップコーンを食べる音とかが気になる人でも映画館で見るべきだと思います。 でもやっぱ映画始まってから入場して前横切られると嫌だよなあ・・・ 【ストライダー】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-22 01:13:39) (笑:1票) |
17.《ネタバレ》 とうとう、ハリウッドもその潤沢な製作費を使い。限られたスタッフ、俳優、機材をシャトルをチャーターして宇宙空間で作品を撮るなんて!!それも、ロシア、USA、中国政府の協力のもとこの、素晴らしい映画を作り上げたのですね。 えっ! 地上で! 撮ったの!......宇宙へ行って無いの!....... ちょっと、芝居じみましたかね。 それくらい衝撃的なオープニングでした。まぎれもなくそこは宇宙空間!アポロが送ってきた、シャトルから撮ったそのものでした。映画ですからストーリーはあります。でも、そんなのどうでもいいじゃないですか!これほど現実感いっぱいなスペース物がいままでにあったでしょうか!キャストは2人。それも後半はサンドラ1人だけ、この限りなく少ないキャストがおりなす生への探求、地球への愛、宇宙空間の限りない闇の恐怖。91分息つく暇もなく展開するドラマ!久々に手に汗握り、91分じっと画面を注視させられました。ほんの1瞬ほっとさせられたのは、ソユーズがエンジンがかからずライアン博士がもう観念して死をまつことを決意させられた時、突然現れる消えたはずのマット博士!そして、重要なヒントになる指示をして、操縦席に有るウォッカを美味しそうに飲む。 ああ! 良かったー!と安堵の気持ちが流れ、映画館全体にホッとした空気が流れます。それもつかの間全てまぼろしとわかりますが、仲間の気持、地球への限りない愛がライアン博士の気持ちをもう一度奮い立たせます。そして感動の地球帰還。どんなに自分の体の重さを感じることが嬉しかったことか。土を掴み、匂いを感じ、風に顔を撫でられ地球の愛を体全体で確認しているかのようでした。見てる我々も足元に地面を感じてしまう瞬間です。とにかく映像芸術もここまできたかとアバターやライフオブパイ以上の感動を楽しみました。絶対に3Dそしてアイマックスでの鑑賞をお奨めします。 これほど、メーキングを見たくない映画はないんでしょうね!! 【としべい】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-21 20:49:49) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 ストーリー性とかメッセージ性とかそんなことより無重力(ゼログラビティ)を感じる映画。普段字幕派を豪語している方もこの映画に限っては吹き替えをオススメします(無重力感が字幕によって遮られてしまうので) 【かのっさ】さん [映画館(吹替)] 10点(2013-12-16 11:09:56) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 IMAX 3Dで鑑賞。これまで観た宇宙もので最も恐ろしく且つ面白かった! 二人しか出てこないがG・クルーニー最高、S・ブロックも良かった。G・クルーニー、戻ってくるわけないよなあ。でもあの場面がハイライト。男であれば最後まで冷静でウイットにとんだ一言を吐きたいものです。 【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-14 21:52:43) (良:1票) |