1.久しく観てないなあ、とレンタル借りてきて、やっぱりこりゃエエわ、と。大してスプラッターな描写も無い地味な作品だし、それで終わりかよ、というアッサリ感も否定できないのですが。ただ、映画って別に過剰なサービスは要らないんじゃないの(もちろん過剰さが嬉しい作品もあるでしょうけど…)、とあらためて思っちゃう。例によってカーペンター自身が手掛けたらしい音楽も安っぽい単調なものだけど、しっかり効果を上げてます。本作における適度なサービス、それは、前半の昼間、つきまとう人影に怯えをみせていたジャミー・リー・カーチスが、それを綺麗サッパリ忘れたかのように、夜が更けた肝腎の後半は大胆な行動をとろうとするところですね。こういう、我々と主人公との感覚のズレ、サスペンスを盛り上げるのに効果的。あとは、いつも遠目にカメラに捉えられていた謎の白マスク男を、狭いクローゼットで主人公と邂逅させてやれば、ちゃんと恐怖映画になっちゃう。早い・安い・美味いの3拍子、って、例えばこの作品のことでしょう。